友人Yの話です。
実家のすぐ隣に暮らし、母とは良好な関係を築いていたY。
けれど、ある時期になると、心の奥に静かにざわめく感情が顔を出すのです。
画像: <母の優しさは弟だけのもの?>母の近くに住む姉が、帰省してきた弟夫婦に『心がざわついた瞬間』

地元で母の近くに暮らすということ

Yは3人きょうだいの真ん中で、地元に嫁ぎました。
実家のすぐ隣に住んでおり、母との関係は良好。

子育てを手伝ってもらったり、母の買い物や病院への送迎をしたりと、自然な助け合いが日常でした。
お互い無理のない範囲で支え合い、ちょうどいい距離感が保てていたのです。

帰省シーズンになると変わる空気

ところが、お盆や年末年始など弟夫婦が帰省してくる時期になると、空気が少し変わります。
母はお嫁さんにとても優しく接し、洗剤や乾物、お中元やお歳暮の品をたっぷり持たせて
「また来てね」
と笑顔で送り出します。

「助かる〜! 最近ここでもらうから洗剤買ってないかも」
うれしそうに荷物を抱える弟夫婦。
その姿を見ながら、Yの胸には言葉にならないモヤモヤが広がっていくのです。

もらう人と、動く人

物が欲しいわけではありません。
ただ、そうやって荷物を持ち帰る弟たちが「地元にいるYの方がいろいろしてもらってるでしょ」と当然のように思っているのが、引っかかるのです。

日々の買い物は、それぞれ自分たちで支払っています。
母の贈答品のことも知ってはいても、それは母のものだと思っているから、自分から欲しいと言ったことは一度もありません。
生活用品がなくなれば、一緒に買い物に行くのはYだからです。

でも……母のために動いているのはYで、弟たちはただ帰省して、優しさだけを受け取っていく。
運ばれていく荷物が、愛情の差であるかのように思えて、距離を感じてしまうのです。

優しさの形に感じる差

母には感謝しています。
たとえ「使われている」と思えるような場面があっても、それが親子だからと受け止めてきました。

「もらって当然」という弟たちの空気と、母の “差のある優しさ” が重なったときだけは、心がざわつく瞬間があるのです。
……この差は、何なんだろう。
そう思ってしまう自分にも、モヤモヤしてしまいます。

【体験者:50代・女性主婦、回答時期:2025年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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