筆者の弟の話です。実家のある島では宅配が生活の要。
でも最近、荷物がなぜか親戚の家に届けられるようになり、家族も親戚も戸惑っています。
いったい何があったのでしょうか?
画像: 大変なのは分かるけど──島で働く高齢の配達員さん。実家ではなく『親戚宅に届ける理由』に「複雑」

配達が生活の要

弟はひとりで島の実家に暮らしています。
島ではスーパーも少なく、早く閉まってしまう為、大きな買い物はネット注文が基本。
車が通れない細い坂道の先にある実家にとって、宅配は生活を支える大切な手段です。

もちろん、配達員さんに負担がかかるのは承知しています。
特に高齢の方にとって、坂を荷物を抱えて上がるのは楽なことではないでしょう。
それでも弟は仕事で日中は家を空けることが多く、どうしても置き配を頼る生活になっていました。

始まりは、一本の連絡

ある日、弟のスマートフォンに見慣れない番号から着信がありました。
出てみると、近所に住む高齢の配達員さん。
「荷物、〇〇さんのところに置いといたからね」
と言われ、驚いた弟。

〇〇さんとは、実家近くの親戚宅。
道路沿いにあり、車が横付けしやすく、人の出入りも多い家です。

その日から、荷物は毎回そちらに届けられるようになってしまいました。
断りもなく親戚宅に荷物を持ち込まれ
「弟くんには電話しておくからね~」
と軽く言い残して去っていく。
そんなことが何度も続いたのです。

配達員の都合、弟の不便

親戚宅は商売をしているので、確かに配達員さんにとっては都合がよいのでしょう。
けれど、弟にとっては受け取りの時間調整や連絡の手間が増え、不便なことなのです。
弟が帰宅する頃には店はすでに閉まっており、荷物を受け取るには、わざわざ開けてもらわなければならない。

それでも近所づきあいもあり、親戚も弟も配達員さんに強く言い出せずにいるのが現実です。
本音を言えば、他の業者さんのように、普通に家まで届けてくれたら……と感じていました。

モヤモヤを飲み込んで

「仕方ないよね」
そう言い合いながら、家族も親戚も今日も静かに荷物を受け取っています。

文句を言えば、その配達員さんの仕事を奪ってしまうかもしれない。
逆恨みだって、絶対にないとは言い切れない──そんな考えばかりが浮かびます。

近すぎる関係だからこそ、遠慮も気配りも必要になる。
その結果、本音はますます言いにくくなり、今日も荷物と一緒にモヤモヤを受け取っています。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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