今の日本では、3人に1人が奨学金を借りているとも言われています。奨学金を借りている人の中には、筆者の友人・A子のように将来のためになるべく手をつけない人もいます。しかし、本人はお金を使わないようにしていても、そのお金が家族にアテにされることも……。今回は、筆者の友人・A子の話を紹介します。
画像: 娘の返済計画を狂わせ『奨学金を使い込んだ母』→ 10年後、娘に待っていた【悲痛な現実】

「奨学金は手をつけず、返済にまわしたい」と、苦学生として頑張ったが……

A子は奨学金を貸与し、大学に進学しましたが、奨学金にはなるべく手をつけず、返済にまわしたいと考えていました。

A子は「就職できるか分からないし、就職できても数年は手取り20万円前後だろう。奨学金の返済はきつい」という現実的な考えを高校時代から持っていました。

そのため、アルバイトを掛け持ちし、学費や生活費を稼いでいました。ただし、学費や生活費などの不足時に奨学金を使ったことは数回あったようです。

卒業間近、A子は奨学金が振り込まれている通帳を確認し、残高が思っていたよりも少ないことにおどろいたようです。自分が使った分はメモをしていましたが、そのメモと照らし合わせると金額に誤差が……。

母親に聞いてみたところ、生活費が不足したときや、大きな買い物が必要になったとき、A子の奨学金を使っていたようです。母親は「少しだけ、少しだけ」という思いで使っていたため、まさか数百万円も使っていたという自覚がなかったそう。

A子の母親はA子に少しずつ返済すると言うものの……

A子は肩を落としたようですが、母の苦労を理解していたため、責めなかったと言います。また、A子の母は心から反省し、「すぐに返すのは難しいけど、少しずつ返す」と、A子に話してくれたようです。

しかし、10年以上経っても、A子の母は1円も返済していないと言います。A子は「お母さんはパートだから」「生活に余裕がないから」「お母さんも無駄遣いしてるわけじゃない」と言っています。母の給与などを考慮すると、お金は返してもらえないと、当初から薄々気づいていたようでした。

なお、A子はボーナスや家賃手当が支給される企業で働いており、学生時代に思っていたよりも経済的に余裕があるようです。

【体験者:30代・会社員女性、回答時期:2025年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:太田あやこ
大学でジェンダーや女性史を学んだことをきっかけに、専業ライターとして活動中。自身の経験を活かしながら、幅広い情報収集を行い、読者に寄り添うスタイルを貫いている。社会の変化の中で、女性が直面する課題や選択肢に光を当て、より自由で豊かな生き方を模索する記事を執筆。人生の選択肢を広げるヒントを提供し、日々の悩みに少しでも明るさをもたらせるよう、前向きになれる記事づくりに取り組んでいる。

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