「昔はこうだったのに」「私の時代はね」──親世代からの意見に、モヤモヤしたことはありませんか? 今回は、第1子を妊娠中の筆者の知人A子が体験した、「家族の思いやり」を巡るすれ違いのエピソードをご紹介します。
画像: 「え、自分のパンツ洗わせてるの?」姑 → 妊婦の私への『冷たいひと言』支えてくれる【夫の本音】は

妊娠中の「頼る」という選択

A子は、切迫早産と診断されてから、無理をしない生活を心がけていました。夫と家事を分担しながら、体をいたわる日々。夫はそんなA子のことを、常に気にかけてくれていました。

ある日、出張が重なり、A子の体調を心配した夫は、留守中に自宅へ義両親に様子を見に来てもらうと言うのです。

正直、A子には戸惑いもありましたが、「そのほうが夫も安心できるだろう」と思い、了承することにしたのです。

夫の優しさから始まった訪問──。しかし、思いがけない展開が待っていました。

姑の「昭和的正論」に傷づく

玄関先でA子を迎えた姑の第一声は、「私の時代は全部自分でやってたわよ」でした。

続けて、「今の人はすぐ人に頼るのね。楽でいいわね」と、チクリと刺さるひと言。

A子はモヤッとしつつも、「産院で安静にと言われてからは、洗濯は◯◯さん(夫)にもお願いしています」と伝えました。

すると姑は、驚いたような表情で、

「自分のパンツを夫に洗わせるなんて、信じられない!」

と否定的な言葉を次々と投げかけてきたのです。

さらに、体調への配慮についても「それって甘えじゃないの?」と冷たい一言が……。

A子の心には、ズシンと重くのしかかるものが残りました。

支える側の夫の本音

その夜、A子は出張から帰宅した夫に一連の出来事を話しました。
夫は、自分の行動がかえって妻を傷つけてしまったことに、深く落ち込んでしまったそう。

「親に任せれば安心だと思ったのに、まさかそんなことを言われるなんて」

翌日、夫はきちんと姑と向き合い、はっきりと自分の言葉で伝えました。

「家事や洗濯は、自分の意思でやってること。A子を支えるのは当然のことだと思っている。それを否定しないでほしい」

その真っ直ぐな思いに、姑の表情にも少しずつ変化が見えてきました。

価値観の違いは、理解のチャンスかも

夫の誠実な言葉に触れた姑は、少しの間を置いて、ポツリとつぶやきました。

「私も、貴方みたいな旦那さんだったら、もっと育児を楽しめたかもしれないわ」

その言葉には、昔の自分と、今の家族のあり方を重ねるような、小さな気づきがにじんでいました。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Yumeko.N
元大学職員のコラムニスト。専業主婦として家事と子育てに奮闘。その傍ら、ママ友や同僚からの聞き取り・紹介を中心にインタビューを行う。特に子育てに関する記事、教育機関での経験を通じた子供の成長に関わる親子・家庭環境のテーマを得意とし、同ジャンルのフィールドワークを通じて記事を執筆。

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