家族の形は様々です。最近では結婚や出産、離婚など、人生における選択の自由度が高まり、昔とは違う多様な家族の形も生まれていますよね。今回は、筆者の友人が家族についての興味深いエピソードを聞かせてくれました。
画像: 私「GWに帰省するね」母「実は、離婚したの!」えぇっ!?→ 我が家が辿り着いた『帰省のカタチ』

母から突然の告白

ゴールデンウィークが近づき、久しぶりに実家に帰省しようと、母に電話をかけた時のことです。
私が「来月帰省するね!」と明るく伝えると、母は少し間を置いてから、「お父さんとお母さん、離婚することにしたの」と告げてきました。

電話口で私は絶句!
両親の仲は悪くないと思っていたので、離婚なんて全く予想していなかったのです。
ただ、昔から両親が一緒にいる時にどこかぎこちない雰囲気を感じていたのも事実でした。

両親の決断

私が言葉を失っていると、母はゆっくりと離婚に至った経緯を説明し始めました。
「お父さんとお母さん、一緒にいてもどこかぎこちなかったでしょ? 実は私たちはお互いの趣味や生活スタイルが違ってきて、一緒にいることが辛くなってしまっていたの。長い間一緒にいたからこそ、別々の道を歩むことを決めたのよ」

たしかに、父はアウトドア派、母はインドア派。趣味も価値観も正反対の両親が一緒にいる時は、いつもどちらかが我慢しているように感じていました。

それぞれの幸せ

母は続けて「もちろん簡単に決めたわけじゃなくて、何度も話し合ったし、悩んだ時期もあった。でも別々に暮らすことで、お互いが自分らしく生きられると気づいたの。お父さんも今は1人暮らしを始めて幸せにしているし、私は学生時代の友達とルームシェアを始めて、毎日がとても充実しているわ」と話してくれました。

後日、父にも話を聞くと、やはり似たようなことを言っていました。
離婚でそれほど落ち込むこともなく、両親はそれぞれ新しい生活を楽しんでいるようでした。

新しい家族の形

翌月、兄も私と日程を合わせて帰省し、久しぶりに家族4人で夕食をすることに。
離婚前はどこかぎこちなかった両親の会話が、この日は驚くほど弾んでいました。まるで長年の重荷から解放されたかのように、楽しそうに話していたのです。

その両親の姿を見るまでは「この歳で離婚なんて……」と重く考えていましたが、実際に今の2人を見た私も兄も、「このほうが皆楽しそうでいいのかな?」と思えるようになりました。

事情を知った友人からは「実家がなくなって寂しくない?」と心配されることもありますが、意外と平気です。
今は帰省すると父と母のところに半分ずつ泊まり、時々は家族で食事に行くなど、良好な関係を築いています。

家族の形は変わりましたが、今のほうが自然体でいられる、心地良い距離感なのかもしれません。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

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