少し歳の離れた兄妹の場合、妹がわがままを言って兄がそれを聞いてあげるというパターンがよくあります。その関係性が大人になっても続いていることも珍しくはありません。今回は旦那さんのわがまま妹の発言に振り回された経験のある筆者の知人、Sさんのお話です。
画像: ハァ!? 私の愛車を勝手に貸した夫、傷だらけにした義妹──さらなる『身勝手な要求』にブチ切れ!

歳の離れた義妹

Sさんの旦那さんには当時離婚してシングルマザーになったばかりの妹がいました。

その妹はとても甘え上手で、また旦那さんと少し歳が離れていることもあり、何かにつけて旦那さんに頼みごとをしてきます。
「お兄ちゃん、お願い!」
「またかよ、仕方ないなあ……」
いくつになっても旦那さんにとっては可愛い妹であることに変わりはないようで、お願いと言われると断れずに頼みを聞いてしまうのでした。

頼みごとの内容は、最初は車で買い物に連れて行って欲しいだの、ちょっとお小遣いが欲しいだのといった些細なこと。

しかし段々義妹も図に乗ってきて、お小遣いの金額が増えたり急に子どもを連れてきて預かって欲しいと言い出したりしてきたので、それまで兄妹のことに口を挟まなかったSさんもさすがに困っていました。

そんなSさんの気も知らず、旦那さんは妹の前で格好をつけたいらしく、義妹の頼みを断ることはほぼありません。

勝手に車を貸されて

そんなある日、Sさんが少し外出してから帰ると、家のガレージに停めていたはずのSさんの車がなくなっていました。
「私の車がないんだけど!」
Sさんが慌てて旦那さんに言うと、旦那さんはケロッとした顔でこう答えました。
「妹がさあ、しばらく貸してって言うから貸したんだよ。保育園の送り迎えと通勤で使いたいって。いいだろ?」
「え、保険はどうするの? 家族限定にしてるはずだから、家族以外は乗れないよ」
「ああ、それならこないだ俺が見直して家族以外も乗れるようにしといたんだ」
「そんな勝手に……」
Sさんの車はSさんが結婚前に購入し、大切に乗っていたもので、パートの通勤や買い物で使うので困ると抗議したのですが、旦那さんは「妹が困ってるから貸してあげて欲しい」の一点張り。

3週間後、待てど暮らせど車を返してもらえないのでSさんは旦那さんに内緒で妹の家に直談判に行きました。
「えー、車を返せって? てっきりくれたんだと思ってた。今さら返せないわよ、急に言われても困るー。文句ならお兄ちゃんに言って!」
義妹は全く車を返すつもりはないようでした。

帰りに義妹のアパートの駐車場で自分の車を見つけたSさんはびっくり。
「な、なにこれ!?」
車はあちこちぶつけられて傷だらけ。車内はお菓子の食べかすや砂でひどく汚れていました。

「ひどい」
大事な車を傷つけられ、奪われたSは帰宅後すぐに車の写真を見せ、旦那さんに詰め寄りました。

「本当に悪かったよ」
自分が勝手に貸したせいで車がめちゃくちゃになったことに責任を感じ、旦那さんはSさんに同じ車を買ってくれました。

そしてSさんの愛着のあった車は、そのまま妹に譲ることになりました。もちろん名義変更などの面倒な手続きなどは旦那さんにお任せしたそうです。

Sさんが新しい車を買ってもらったと聞いた義妹は「ずるい! 私が新車欲しい」と言ってだだをこねましたが、Sさんと旦那さんは全力でスルーすることに。

今でも旦那さんはちょくちょく義妹に会っているようですが、Sさんは車の恨みが忘れられず、極力会わないようにしています。

【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2025年2月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。

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