これは筆者の友人C子から聞いたエピソードです。幼い頃から「お姉ちゃんなんだから」と言われ続け、何かと我慢を強いられてきたC子。大人になってもモヤモヤを抱えていましたが、ある日、母と向き合ったことで長年の疑問が解けたそうです。親の本音を知って、C子が感じたこととは?
画像: <姉弟差別>誕生日は「もうお姉ちゃんでしょ」と私だけ省略──大人になって知った『親の本音』にハッ

「お姉ちゃんだから」で片付けられる日々

私には3歳下の弟がいます。小さい頃から、親に何かお願いしても「お姉ちゃんだから我慢しなさい」と言われることがほとんどでした。

新しいおもちゃが欲しいと頼んでも、「もう大きいんだから必要ないでしょ?」と却下されるのに、弟には「せっかくだから」と買い与えられる。

誕生日も、私は「もう子どもじゃないでしょ?」とプレゼントが省略されることがありましたが、弟は毎年欠かさずもらっていました。

「なんで私ばかり───」

そう思いながらも、言い返しても聞いてもらえないので、次第に諦めるようになりました。

高校進学でも感じた“差”

高校受験の時、私は「塾に通いたい」と親に相談しましたが、「お金がかかるから無理」とあっさり断られてしまいました。仕方なく独学で勉強し、何とか志望校に合格しました。

ところが数年後、弟が同じように「塾に行きたい」と言った時、親はすんなりと承諾。

「え? 私の時はダメだったのに…」

そう思いましたが、今さら文句を言う気にもなれず、ただモヤモヤした気持ちを抱えたまま社会人になったのです。

大人になって知った親の本音

ある日、久しぶりに実家へ帰った時のこと。ふと昔を思い出し、思い切って母に聞いてみました。

「なんで私の時はダメで、弟には甘かったの?」

すると母は少し困ったような顔をして答えました。

「お姉ちゃんはしっかりしていたし、自分で何でもできる子だった。でも、弟は放っておいたら何もできなくて──」

「でも、それって結局“お姉ちゃんだから”ってことでしょ?」と私が言うと、母は少し寂しそうに「そうだね、ごめんね」と呟きました。

その言葉を聞いた瞬間、私はハッとしました。

親も完璧じゃない

ずっと抱えていたモヤモヤが、少し軽くなった気がしました。もちろん、納得できない気持ちがゼロになったわけではありません。でも、親もまた「完璧な親」ではなく、手探りで子育てをしていたのだと気づきました。

C子は、「親だって間違えることもあるし、全てが正しかったわけじゃない。でも、それでも家族として向き合うことが大事だと思った」と話していました。大人になった今だからこそ、親の言葉の裏にあった思いを受け止められたのかもしれません。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。

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