新しく入った勤め先の保育園での出来事。目の当たりにしたのは、発表会で、保護者が全力で歌って踊る光景でした。外部から入った保育士だからこそ、この慣習の特殊性に気付いた友人がとった行動とは? 貴重な体験談を、友人が語ってくれました。
画像: <園の発表会で、保護者も余興!?>「人前に出るのは嫌」「遠慮したい」→ 園長先生が『出した答え』は

保育士としての役割とは?

私は保育士として保育園に勤務しています。

保育園には、仕事や介護、家の事情などがあって子どもを預けている親御さんが多数います。保育士は、子どもとの関わりの他にも、保護者支援や行事運営など、多岐にわたる役割を担っています。

しかし、去年から私が入った園はだいぶ方針が違っていました。

保護者参加の現状と課題

運動会や発表会、子どもたちの活躍の場に、保護者の出し物を求めるのです。保護者が全力で踊るダンスや余興。保護者の気合に圧倒されましたが、「これって親の負担になっているのでは」と心配になるものも。

実際、発表会前にはある保護者から相談が。

「今年から園に入りましたが、親の余興練習に出られていなくて」

「私も夫も人前に出るのが苦手なので、遠慮したい」という声が多数あったのです。

園長先生に相談

保護者の方からの相談を受けた私は、園長先生にその声を伝えることにしました。

「親御さんたちの負担が大きいようですし、参加を強制するのは難しいかもしれません」と話すと、園長先生は少し考え込んだ様子。

「確かに、全員が同じように余興に参加するのは難しいですね。でも、保護者が積極的に関わることで、子どもたちとの絆が深まるという意図もあるんです」と園長先生。

私はその意図には共感しつつも、「それでも負担を感じている方がいる以上、柔軟な対応も必要かと思います」と提案しました。

新たなアイデア

そこで園内で話し合いが行われ、保護者にもアンケートを取ることに。

その結果、次年度からは「参加自由」の形式に変更することが決定。さらに、ダンスや余興だけでなく、保護者が無理なく関われる新しいアイデアも取り入れることに 。

例えば、子どもたちの日常の写真を集めたスライドショーを発表会当日に上映したり、保護者から子どもへの応援メッセージをカードに書いてもらい、それを会場に飾ったりしたのです。

負担軽減で生まれた好意的な変化

こうした変更のおかげで、保護者からは「気持ちよく参加できる」「子どもの成長を見守ることに集中できる」といった好意的な声が増えたのです。

こうして「保育園と保護者が協力して子どもの成長を支える」、新たな形が始まりました。

【体験者:30代・保育士、回答時期:2025年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。

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