娘のため、そして自分のためにもママ友が欲しい!
そう願っていたA子は、ついにママ友グループに仲間入りしました。
しかし、そこで目にしたのは、他のママ友への悪口が飛び交う光景……。
居心地の悪さを感じながらも、せっかくできたつながりを手放すのが怖くて、なかなか抜け出せずにいたA子。
ところが、勇気を出して距離を置いてみると、思いがけない出会いが待っていました。
これは、筆者の知人であるA子の体験談です。
画像: ボスママから散々悪口を言われていたのに──笑い飛ばした友人の『余裕の一言』に「器の大きい人だな」

念願のママ友デビュー! でもそこは……

A子は娘の幼稚園入園をきっかけに、あるママ友グループに加わりました。

最初は嬉しかったものの、次第に違和感を覚えるようになります。

なぜなら、グループ内での会話は、ママ友グループに入っていないB子の悪口ばかりだったからです。

「B子さんって付き合い悪いよね」

「なんか偉そうじゃない?」

ボスママのC子を中心に、そんな噂話が絶えません。

A子は表面上は笑顔を保っていたものの、心の中ではモヤモヤ。

「本当にB子さんってそんな人なの? でも、ここで違和感を口にしたら浮いちゃうかも」

そんな葛藤をしながら、A子はグループに馴染もうと努力していました。

B子との距離が縮まる瞬間

しかし、何度か集まりに参加するうちに、A子は悪口ばかりの関係に疲れてしまいます。

「このままでいいのかな?」

そう考えたA子は、思い切ってグループから少し距離を置くことに──。

すると、不思議なことにB子と話す機会が増えていきました。

最初は、少し緊張したものの、実際に話してみると、B子は噂とはまるで違う、きさくで話しやすい女性でした。

さらに、B子が才能あふれる造形作家であり、A子の大好きなインテリアデザインにも関わっているというではありませんか。

共通の話題で盛り上がるうちに、A子は自然とB子との距離を縮めていきました。

B子の才能が脚光を浴びると……

そんなある日、B子の作品がメディアで注目されるようになりました。

すると、それまで散々悪口を言っていたC子が、態度を一変させてB子に近づいてきたのです。

「B子さんってすごい才能の持ち主だったのね!」

「前から気になってたのよ〜」

A子は「あんなに悪口を言っていたのに」と、驚きを隠せませんでした。

C子が以前から自分の悪口を言いふらしていることを知っていたB子は、どんな反応をするのか?

A子は、B子がC子を許すことはないだろうと思っていました。

しかし、意外にもB子はC子と笑顔で会話をしていたのです。

「え? まさか仲良くできるの?」

振り回されない強さとは

後日、思い切ってA子はB子に尋ねました。

「なんでC子と普通に話せるの?」

するとB子は、少し考えたあと、穏やかに笑ってこう言いました。

「正直、前のことを思い出すとモヤっとすることもあるよ。でもね、だからって私がC子の態度に振り回されるのも嫌だなって。」

続けてB子は

「まぁでも、あれだけ見事な手のひら返しをされると、逆に面白くない?」

とにっこり。

A子はその余裕のある態度にハッとしました。

周りに振り回されず、自分の心地よい人間関係を大切にするB子を見て、A子も少しずつ気づき始めます。

「無理して群れるより、自然体で付き合える人がいれば十分なんだ」

そう思ったとき、A子の心は少し軽くなったのでした。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Yumeko.N
元大学職員のコラムニスト。専業主婦として家事と子育てに奮闘。その傍ら、ママ友や同僚からの聞き取り・紹介を中心にインタビューを行う。特に子育てに関する記事、教育機関での経験を通じた子供の成長に関わる親子・家庭環境のテーマを得意とし、同ジャンルのフィールドワークを通じて記事を執筆。

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