子どもの頃は、誰でも親のありがたみに気づきにくいものですよね。大人になり社会に出て、初めて親に感謝の気持ちを抱いたという人も少なくないのではないでしょうか? 今回は、友人のN美から聞いたエピソードをご紹介します。
画像: 「うちって裕福じゃなかったの、、、?」母の部屋で『古いノート』を発見してしまい、衝撃

何不自由ない子ども時代

私は、何不自由ない家庭で育ちました。
両親は読みたい本はすぐに買ってくれましたし、興味を持った習い事はどんなものでもやらせてくれました。
私が行きたいと言った場所に家族旅行で連れて行ってくれることもしょっちゅうありました。

友人から「N美ちゃんちって、お金持ちだよね」と言われることも珍しくなく、私自身も実家は裕福な方だとなんとなく感じていたものです。

そして、そんな環境を当たり前のように思ってしまっていました。

1人暮らしがスタート

私が親のありがたみを実感したのは、恥ずかしながら社会人になり、実家を出て1人暮らしを始めてからです。

初めて経験する1人暮らしは想像以上に大変でした。
毎月カツカツの生活で、欲しいものを我慢する日々。実家にいた頃は、こんな苦労は全く知りませんでした。

母の入院と古いノート

ある日、母が骨折して入院することになりました。私は入院の準備を手伝うために帰省し、母の部屋に入りました。

そこで偶然見つけたのは、古びたノート。

ノートには、幼い頃の私の写真がたくさん貼られ、さらに私の教育にかかった費用の明細が細かく記されていました。
書かれていた金額の大きさに、私は思わずページを二度見しました。
両親が私のために莫大な教育費をかけてくれていたことを、その時ようやく理解したのです。

両親に改めて感謝

明細の横には母の文字で、「N美が好きなことを学べるように、頑張ろう!」という言葉とともに、節約のアイデアがびっしり書き込まれていました。

我が家は特別裕福なわけではなかったのです。
両親は自分たちは贅沢をせず、欲しいものも我慢して、私の教育費を捻出していたのだと、その時初めて知りました。

それなのに私は「うちは裕福だから」と、両親の苦労を知ろうともしませんでした。

今までの自分の傲慢さを反省し、私は後日両親に改めて「今まで本当にありがとう」と伝えました。
両親は優しく笑うだけでしたが、これからは少しでも親孝行しよう! と密かに決心した出来事になりました。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2025年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

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