離婚を経験すると、1度結婚生活に失敗したからこそ再婚には慎重になってしまいますよね。特に子どもがいる場合は、子どものことを1番に考えたいと思うのが親心。今回はシングルマザーの友人、由香(仮名)に話を聞きました。
画像: 子連れ再婚は難しい? 新居を探すも → 彼の衝撃発言に「深い絶望」シンママが再婚を諦めた悲しい理由

離婚後、新たな出会い

私は数年前に夫と離婚し、2人の息子を育てるシングルマザーになりました。

その後、ご縁があって健太(仮名)と出会い、お付き合いを始めることに。
穏やかで優しい彼は、息子たちにも温かく接してくれました。その姿に安心し、私も次第に彼との未来を思い描くようになりました。

息子たちが健太にすっかり懐いているのを見て、私はついに再婚を決意。
「今度こそ幸せになれる」──そう信じて疑いませんでした。

新居問題が勃発!

しかし、新居の話になると、健太は自分の家に住むことを主張し始めました。
「俺の家に住めば無駄な費用もかからない」と言うのです。

健太の家は、実家の敷地内に建てられた彼のための平屋で、家族で住むようには作られていません。もちろん子どもが過ごせるスペースもありませんでした。

しかも、そこに住めば健太の両親と敷地内同居ですし、息子たちは転校することになります。
これから思春期を迎えるであろう息子たちのことを考えると、私はどうしても躊躇してしまいました。

理解されない想い

「あなたのお家は子どもたちの部屋がないし、ご両親もいらっしゃるから……」と伝えたのですが、健太は意に介さない様子。
「子ども部屋なんて、後でどうでもなる。親父たちも賑やかになって喜ぶだろ」と無邪気に言います。

子育て経験のない健太には、子どもがどれほど環境の変化に敏感か、どれほど自分の空間を必要としているか、全く理解できていないようでした。

私は、価値観の違いに深い絶望を感じました。

優しい彼は一体どこに?

さらに追い打ちをかけるように、健太はこう言いました。

「ただ、リフォームはそろそろ必要だな。その費用は由香が出してくれるんだよね? だって、由香たちが住むためのリフォームだし!」

私は言葉を失いました。
たしかに健太の家は古く、水まわりも老朽化していますが、その費用を負担させられるとは……。

敷地内同居、子ども部屋なし、高額なリフォーム費用、そして何より、根本的な価値観の違い。

子どもたちの幸せを第一に考えた結果、私ははっきりと健太に告げました。
「ごめんなさい。私、あなたとは結婚できません」

健太は最後まで、私の気持ちが理解できないようでした。
再婚という夢は崩れ去りましたが、今はまたシングルマザーとして、子どもたちを立派に育ててみせると決意を新たにしています。

【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2025年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

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