親の介護と自分の生活を両立するのは、本当に難しい問題ですよね。
罪悪感や経済的な不安に押しつぶされそうになりながらも、筆者の知人A子がたどり着いた答えをお伝えします。父の介護で悩み抜いた末にA子が下した決断とはなんだったのでしょうか。
画像: 施設に入所した父「そんなに俺が邪魔だったのか!」私は後悔と罪悪感 → 友人の言葉にハッとした理由

突然の介護、決断のとき

A子の父は80歳になります。長年の農作業で腰を痛め、歩くのがやっとの状態でした。

更に呼吸器の病気を発症し、母だけで父の世話をするのは無理だと判断。

A子も仕事があるので、悩んだ末、思い切って施設への入所を決断しました。

けれども、いざ入所すると父は、

「そんなに邪魔だったのか!」「ひどいところにつれてきた」と怒って大泣きするほど、ショックを隠しません。

施設では好きなものを自由に食べたり飲んだりできないことが、父は不満な様子。

それを知ったA子はもっと説明すべきだったと後悔し、罪悪感と心配で夜も眠れなくなりました。

経済的な負担と心の葛藤

さらに追い打ちをかけたのが、施設の費用。

全額A子が負担しており、家計はギリギリの状態。

母の生活も気がかりで、どうすればいいのかわからなくなっていきました。

そんなA子は、同じような境遇の友人に相談することに。友人は「私も両親を施設に入れたけど、『家に帰りたい』と鬼のように電話がかかってきたよ」と共感してくれました。

そして「介護する側が倒れたら元も子もない。自分を大事にして」と言われ、ハッとしたのです。

施設は本当に「ひどいところ」なのか?

冷静になって考えてみると、施設には24時間見守ってくれるスタッフがいます。

転倒や体調の急変にもすぐ対応してもらえますし、毎日栄養バランスの考えられた食事が出ます。

詐欺などの心配もなく、安心して暮らせる環境が整っているのです。

「ここはお父さんにとって快適な場所なんだ」と確信できると、罪悪感が少しずつ薄れていきました。

罪悪感を手放して、できることをする

それからは、父に何を言われても揺るがず「お父さんが安心して過ごせるように、私たちも最善を尽くしているよ」と伝えるようにしました。

罪悪感を持つのではなく、今できることに目を向ける。

無理をしすぎず、自分の生活も大切にする。

経済的な心配はまだ残りますが、親を思う気持ちと自分の人生、どちらも大事にしながら寄り添っていけばいいのだと、ようやく気づくことができました。

【体験者:40代・女性パート、回答時期:2025年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Yumeko.N
元大学職員のコラムニスト。専業主婦として家事と子育てに奮闘。その傍ら、ママ友や同僚からの聞き取り・紹介を中心にインタビューを行う。特に子育てに関する記事、教育機関での経験を通じた子供の成長に関わる親子・家庭環境のテーマを得意とし、同ジャンルのフィールドワークを通じて記事を執筆。

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