都会での生活は刺激的で楽しい反面、苦労や困難も多いですよね。特に、慣れない環境で1人で頑張っていると、不安や孤独を感じてしまうこともあるのではないでしょうか? 今回は、友人が経験した出来事をご紹介します。
画像: 「実家に残るべきだった」倒れた母に、罪悪感 → 母「私のせいにしないで。それより──」思わぬ言葉が

上京と不安な日々

私の母は早くに夫を亡くし、シングルマザーとして私を育ててくれました。
そんな母を地方の実家に1人残し、数年前に私は夢を抱いて上京。
念願の美容師として就職できたものの、現実は厳しく、理想と現実のギャップに苦しんでいました。

覚えることは山のようにあり、先輩のスピードについていくのがやっと。終電で帰宅することも珍しくありません。
自分のセンスや技術に自信も持てず、心身ともに疲弊していました。

「このまま美容師を続けていていいのかな」という将来への不安を抱え、焦燥感に駆られる日々でした。

弱った母に罪悪感を抱き……

そんなある日、母が倒れたと連絡を受け、私は慌てて実家に戻りました。
車が運転できない母は、体調が悪かったのになかなか病院に行けず、それが原因で持病をこじらせてしまったのです。
病室で弱々しく横たわる母の姿を見て、私は胸が張り裂けそうになりました。自分が上京したことで、母に負担をかけてしまったのではないか。実家に残るべきだったのでは……という罪悪感に苛まれました。
そして、母に「仕事も全然うまくいかないし、お母さんもこんなことになっちゃうし、地元にいればよかったのかな」と、つい弱音を吐いてしまいました。

厳しくも優しい母の言葉

すると母は、「それは違う! あなたはあなたの道を進むべき。私を心配する気持ちは嬉しいけれど、あなたの人生を私のせいにしないでほしい。罪悪感なんて感じなくていいから、しっかり自分の人生を生きなさい」と語りました。

その言葉は、絶望しかけていた私の心に深く突き刺さりました。
私は自分のうまくいかない状況を母のせいにして逃げようとしていたのだ、と気づかされたのです。

前を向いて

母の言葉は、私の心に再び灯をともし、私は「東京でもう少し美容師として頑張ってみよう」と思えるようになりました。

母は私の幸せを1番に願ってくれている。その思いに応えるためにも、私は前を向いて進んでいかなければなりません。
母の励ましを胸に、私は再び東京での生活に戻りました。今度こそ、自分の力で美容師としての夢を掴み、母に恩返しをしたいと思っています。

【体験者:20代・女性美容師、回答時期:2025年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

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