「給食は残さず食べましょう」そのような教育を受けた人は多いことと思います。
食べ物は大切にしなければいけませんが、中にはそれがプレッシャーになってしまう子どももいます。これは筆者の娘に起こった出来事です。
画像: 担任「給食を残してはいけません」行き過ぎた『完食指導』でストレス → 娘が苦しんだ病気とは

給食を時間内に食べきれない娘

娘が小学校4年生の時の話です。
娘は好き嫌いはなかったのですが、食が細く食べるのも、とてもゆっくりな子どもでした。

小学校の給食は娘には量が多いうえに、4時間目の授業が長引くことが多かったので給食の時間が短くなることもしばしばあり、娘は給食の時間内に食べ終わることができませんでした。

給食当番に「食べきれるように、少なくよそって」とお願いしても「4年生ならそれでは少なすぎる」と担任の教師が減らすことを許してくれません。

担任の教師は「給食は残さずに食べきるもの」という意識がとても強い人でした。

給食の時間内に食べ終われず残してしまった娘は「食べ物を大切にしていない」と、みんなの前で注意されたり、昼休みに入っても食べ終わるまで片づけさせてもらえないことが何度も続いたのです。

家以外の場所で食事ができない

そのうち娘は給食の時間に手が震えたり、息苦しさを感じるようになってしまい、家に帰ってきても暗い表情を見せることが多くなりました。

やがて、給食の時間だけではなく、家以外の場所で食事する時にも、吐き気がするようになってしまったのです。

明らかに異常な様子に不安を感じた私は、娘を連れて心療内科を受診しました。

医師の話では、社交不安障害の一種の会食恐怖症の状態に陥っているとのことでした。

詳しく説明を聞いたところ、
「社交不安障害とは人前で何かをする時に極度の不安や恐怖を感じてしまう障害」
だそうです。

娘は給食を食べきらないといけないプレッシャーがきっかけで、会食恐怖症の症状が出てしまったのだろうと言われました。

さまざまな特性やペースを理解してください

担任の教師には「食欲や食べるペースは子どもによって違う」こと、「給食を食べきらなければいけないことが大きなストレスになり、会食恐怖症になることがある」ことを理解してもらえるように、お願いしました。

娘は給食の時間は保健室で自分のペースで食べるところから始め、それができるようになったら教室で給食を食べるというように、時間をかけ段階を踏んで会食恐怖症を克服しました。

学校という集団生活の場所で、生徒ひとりひとりを理解することは難しいことだと思います。

ですが、できるだけ子ども達の特性やペースを理解してほしいと思った出来事でした。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年2月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

Itnライター:K.Sakura
セラピスト・販売員・介護士の職を通じて常に人と関わる職務経験から得た情報を記事化するブロガーを志す。15年ほど専業主婦兼ブロガーとして活動するも、モラハラな夫からから逃げるために50代にして独立。母としては、発達障害のある子どもの育児に奮闘。自分の経験が同じような状況に悩む人の励みになって欲しいと思い、専門ライターに転身。アラフィフでも人生やり直しができることを実感。

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