筆者の話です。父はパチンコが好きで、子どもの頃から家にいませんでした。運動会などの行事に来なかった父が、定年後に家族との時間を大切にするようになりました。その変化を通じて、私たち家族の心境も変わっていったのです。
画像: パチンコに溺れ、昔からほとんど家にいなかった父 → 定年後に訪れた変化に、私「驚きを隠せない」

パチンコが大好きな父

父はパチンコが大好きで、子どもの頃からほとんど家にいませんでした。会社帰りも休日もパチンコ三昧。学校行事の日も、朝早くからパチンコ店に並ぶことを優先していました。

運動会や参観日には来てくれたことがなく、友達の家族をうらやましく感じていたのを覚えています。地区の行事には顔を出しても、子どものイベントには無関心な父。ただ、パチンコの調子が良いと「今日は焼肉に行こう」と突然電話をしてくることもありました。

定年後に訪れた変化

定年後も父は変わらないと思っていましたが、意外にも変化がありました。パチンコに行く頻度が減り、釣りを始めたり、家でパチンコ番組を見たりするようになったのです。

母が現役で働いているため、一人でいる時間が増えたせいか「釣り具を買いに行こう」 と私を呼び出し、一緒に昼食をとることが増えました。休日に外出しても、家に帰ると父は「一緒に夕食を食べる?」 と聞いてくることも。以前は家族との時間を気にかけることさえなかったのに、この変化には驚きを隠せませんでした。

どこへ行くにも一緒

最初は「何がしたいの? 買い物が長いと怒るくせに」 と不思議に思っていました。しかし、父が一緒にいることを楽しんでいる様子に気づくと、少しずつ見方が変わってきました。

休日には父が「今日はどこに行く?」 と私に尋ねることも増え、自然と会話が増えたのです。あれほど亭主関白で、言葉少なだった父が、今では顔色をうかがいながらついて回る姿。かつての父からは想像できない変化に、愛おしささえ感じるようになりました。

父との新しい時間

「次は父とどこへ行こうかな」――そんなふうに考える自分がいることに気づきました。

以前の父との思い出は、寂しいものばかりだったかもしれません。でも、今の父は家族との時間を何よりも大切にしているように見えます。家族と一緒にいたいと思う父の気持ちが、私たちの心も柔らかくしてくれたのです。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年2月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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