子ども1人を大学まで通わせようと思うと、数千万円の教育費が必要になる場合もあります。大学に進学する子どもが多い中、親の負担は増すばかりです。今回は私の友人A子さんから聞いた、家庭の事情で大学進学をためらっていたとき、祖父がとある理由から進学を後押ししてくれた話を紹介します。
画像: 【祖父に感謝】家庭の事情から進学をためらう私に → 祖父「迷わず行きなさい」その理由に、思わず涙

成績優秀なA子

中学時代から成績優秀だったA子。高校は県内でも有数の公立の進学校に進みました。高校に合格した際にはA子の両親や祖父母は皆とても喜んでくれ、勉強を頑張ってきてよかったと思えたのですが……。

高額な教育費……父親が思わぬことを言い出し!?

高校生活も半ばが過ぎ、大学進学の話になると「別に大学には行かなくてもいいんじゃないか? 働け」と父親が言い出したのです。

A子には妹が2人おり、3姉妹全員が大学へ進学するとなるとかなりの教育費が必要になります。A子は田舎住みのため、大学に進学するとなると下宿は必須。入学金や授業料だけでなく1人暮らしの仕送り費用なども含めると、共働きとはいえA子の両親にとって大きな経済的負担になるのは明らかでした。

大学進学してもいい? 悩み始めたA子

通っていた高校が進学校だったこともあり、同級生はほぼ全員が大学進学予定。A子は自分自身も皆と同じように受験をして大学に行くつもりでいたのですが、父親の言葉を聞いてからというもの考えを改める必要があるのか悩み始めてしまいました。

しかし、卒業後すぐに働くという決断はA子にはできませんでした。大学で深く学びたいことがあったからです。

大学進学を後押ししてくれる人が……その理由とは

悩んでいるときにも、A子の思いを後押ししてくれる人がいました。母方の祖父です。祖父は昔から成績の良かったA子に常々「大学に行って勉強しなさい」「やりたいことをやりなさい」と言い続けてくれていました。

戦後の貧しい時代を生きてきた祖父は一度は大学に進学したものの、病気がちな父親に代わって妹5人を養うために働かざるを得ず、1年もたたないうちに自主退学していたということをA子に話してくれたのです。祖父の話が初耳だったA子は、「勉強したいのにできない」という悔しい思いをしてきた祖父の言葉が胸にささりました。「だからいつも私を応援してくれてたんだね」とやっと祖父の思いを理解したA子。

経済的サポートまで申し出てくれた

そのうえ、若いころから一生懸命真面目に働いてきた祖父は今は経済的にも余裕があるようで、「金の心配はしなくていい」とまで言ってくれました。結局、A子はやはり大学に進学することに決めました。

父親の了承も得て、より一層勉強に熱が入ったA子は、第一志望の大学に見事合格。勉強にサークル、アルバイトなど大学生活を謳歌したのでした。

悩んでいたときに大学進学を後押ししてくれた祖父、祖父の申し出を断り祖父の経済的サポートなしで大学まで行かせてくれた両親には、A子は30代になった今でも感謝の気持ちでいっぱいだそうです。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2024年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:ichika.K
2児の育児を機に、ママの悲喜こもごもを描くライターとしての活動をスタート。子育てメディアなどの執筆を経て、独立し現在はltnでコラムを連載中。大手企業の総合職でのOL経験、そこから夫の単身赴任によりワンオペでの育児を行った経験から、育児と仕事を両立するママの参考になる情報を発信すべく、日々情報をリサーチ中。

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