大人になっても、子どもの頃に感じた劣等感はなかなか忘れられないものです。
筆者の友人R子さんは、父に褒めてもらえなかった幼少期の記憶を忘れられず、大人になって父から褒められるようになっても複雑な心境に。
そんな中、R子さんがとった行動とは!?
画像: 昔は兄ばかり、ひいきしていたくせに──「今さら褒めないで」父に本音をぶつけると、思わぬ言葉が。

器用な兄と比較された子ども時代

父は小学校の教師で、しつけや礼儀作法、勉強に厳しい人でした。
私はどちらかと言うとおっとりしていて不器用な性格で、箸の使い方から始まり鉛筆の持ち方、字の書き方がなかなか身につかず、
「なんで言われた通りにできないんだ」
とよく父に怒られていました。

対して2歳上の兄はしっかり者で、父の言うことを守れる器用なタイプ。いつも父は
「兄は本当によくできた子」
「自慢の息子」と喜んでいました。

私は「ダメな子?」

兄と比べて褒められない日々のなかで
「私はダメな子なんだな」
と思うようになり、その思いは大人になっても劣等感として残りました。

大人になってから、本音を父に言うと!?

その後自分なりに一歩ずつ勉強も何事も頑張り、大学を卒業して父と同じ教師になりました。

すると父は大喜び。
「お前は本当に親孝行な娘だなあ」
「昔から、控えめだけどしっかりしていたもんな」

と子どもの頃が嘘のように褒めるように。

しかし子どもの頃のことを思うと複雑な心境になり
「昔は兄ばかり褒められて、私は全然褒められなかった。本当に辛かった。今さら褒められても困る」

と父に本音を打ち明けました。

私の告白に驚く父。

「そうだったのか。すまない」
と初めて謝ってくれました。

「あの頃は教師として、自分の子どもは立派に育てなきゃと力が入りすぎていた。だからお前の気持ちに気づいてあげられなかった。傷つけてしまったことを反省する」
と言いました。

自分の気持ちをきちんと伝えられ、父にも気持ちを受け入れてもらえたことで長年抱えていた苦しさが少しずつ和らいでいきました。

その後は仕事の先輩としてアドバイスを受けたりしながら、良い関係を築いています。

【体験者:30代・会社員、回答時期:2024年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Sana.Y
医療機関に勤めるアラフォーワーキングマザー。新卒で化粧品メーカーに入社後、結婚出産を機に退職。現在は転職し子育てと仕事の両立に励む。自分らしい生き方を求め、昔から好きだった書くことを仕事にしたくライターデビュー。化粧品メーカー勤務での経験や、会社でのワーキングマザーとしての立ち位置、ママ友との情報交換を通して美容や教育、女性の生き方を考えた情報を発信している。

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