あなたは人にされた嫌なことを許せますか? 筆者の知人Aさんは結婚してから長い間、姑に散々いびられてきました。時は経ち姑の介護をすることになったAさん。姑にされたことを許せない気持ちを抱えていたAさんでしたが、姑のある一言に救われることに。積年の思いをスッキリとさせてくれた意外な一言とはどのようなものだったのでしょうか。
画像: 【大嫌いな姑の介護】これまでされてきたことは許せないけれど、、、『たった一言』に心を救われた瞬間

大嫌いないじわる姑

Aさんは60代の主婦。30年前、結婚と同時に夫の親と同居し、嫁として頑張って過ごしてきました。特に苦労させられたのが姑です。とてもいじわるな姑は、散々Aさんのことをいびってきました。

嫌味、暴言、人格否定……。

いじわるな姑エピソードに出てきそうなことは大抵やられていたAさん。姑のことは大嫌いでしたが、時代的にも「結婚して嫁いできたのだからこのくらいは耐えて当然」との思いで長年過ごしてきました。

いつまでも元気でAさんをいびっていた姑でしたが、80代を迎えた頃、脳梗塞で倒れ左半身がうまく動かせなくなり介護をすることになったのです。

大嫌いな姑の介護は複雑

Aさんの介助なしには生活することは難しくなった姑。姑自身も夫も在宅での介護を望んだので、必然的に姑の介護はAさんの肩にのしかかることになります。

まだ仕事を続けている夫は「俺も手伝うから」と言ったものの戦力にはならず、公的なサービスを使いながらも姑の介護はほとんどAさんがやることになったのです。

大嫌いな姑を生かすための介護は、Aさんにとって苦痛なものでした。私が世話をしなければ大嫌いな姑は生きてはいけない。だけど、世話をしないわけにはいかない。

日々、複雑な思いを抱えながらAさんは姑の介護をしていました。

姑から初めての「ありがとう」

懸命に介護を続ける日々。Aさんは心身ともに疲れていましたが、心を無にして介護に取り組みます。

そんな介護生活が1年続いたあるとき、トイレの介助を終えると姑から意外な言葉が出ました。

「いつもありがとう」

それは姑が初めてAさんに言ったお礼の言葉でした。これまでの30年間どれだけこの家のために尽くしても文句を言われるだけで感謝をされたことはありません。

そんな姑がAさんに対して初めて「ありがとう」と感謝の言葉を述べたのです。

たった一言で気持ちが救われる

あのいじわるな姑から感謝の言葉が出るなんて! Aさんはとても驚きました。そして驚くと同時に気持ちがスッと軽くなるのを感じました。

Aさんは姑の「ありがとう」の一言で、これまでのすべてが報われた気がしたのです。

いびられて辛かった日も、介護で大変だった日々も、すべてはこのありがとうを聞くためにあったのではないか。そう思えたAさんは姑のこれまでしてきたことは許せそうにありませんが、これからも介護を頑張れそうな気がしたそうです。

たとえ自分が複雑な思いを抱えている相手だったとしても、その人の一言で長年の思いが救われることがあるのですね。

【体験者:60代・女性主婦、回答時期:2024年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:安藤こげ茶
自身も離婚を経験しており、夫婦トラブルなどのネタは豊富。3児のママとして、子育てに奮闘しながらもネタ探しのためにインタビューをする日々。元銀行員の経験を活かして、金融記事を執筆することも。

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