筆者の話です。
お彼岸前、小雨が降る中、義母に墓掃除を頼まれました。義母の急な指示に戸惑いながらも、孤軍奮闘で墓掃除を完了させたエピソードを綴ります。
画像: 雨の中「早く墓掃除をしてきて」「傘差せば大丈夫でしょ」嫁を追い立てる義母

義母からの突然の依頼

「体調が悪いから来てほしい」
との義母からの連絡。
外は朝から小雨が降り続けています。
私は必要な買い物を済ませ、義実家へ急行しました。

玄関を開けると、部屋から義母の咳き込む音が聞こえます。
寝室をノックし、
「病院に行きますか?」
と尋ねると、義母は
「そこまでは大丈夫。でもお墓掃除はしなきゃね」
とさらりと言いました。

雨がやむ気配はありません。
「墓掃除は雨がやんでからにしますね」
と言うと、義母は
「あら、傘を差せばできるわよ。明日からお彼岸なのに、お花を立ててないなんてうちくらいよ」
と急かすのでした。

小雨の中、押し出されるように墓掃除へ

雨具を整え、掃除道具と仏花を手に、小雨の降る中を一人で墓所へ向かいました。
義実家の墓所は数回訪れた程度。
道中、苗字が同じお墓が多いという話を思い出し、不安がよぎります。

細い路地を抜け、ようやく墓所へ到着。
しかし、視界には似たような墓石が並ぶばかり、きちんと整備された墓所ではなく、昔からある墓所のため並びも向きもバラバラで。
20分以上かけてようやくお供え物のないなんとなく見覚えのあるお墓を見つけ安堵しました。

慣れない手順と孤独感

傘を片手に、もう片手で掃除道具を扱う。
狭い場所での作業に手間取り、雨に濡れる掃除道具に苛立ちながらも、なんとか1時間かけて墓掃除を終えました。

仏花を供えながら、義母の言葉を思い出します。
「傘を差せば大丈夫」 とあっさり言われたけれど、慣れない場所での掃除は孤独そのもの。
実家との宗派の違いもあり、お供えの手順がわからないまま、お線香を焚き、墓所を後にしました。

やぶさかではないけれど……

義実家に戻り、義母へ報告を済ませ帰宅した頃、ちょうど雨がやみました。
1時間待てば傘をさして掃除をしなくてもよかったのに……。

墓掃除の重要性はわかりますし、普段は義母が「私がするのでいいよ」 と言うため、声をかけなかった私も悪かったのかもしれません。
義母は今回も自分でするつもりだったのでしょう。
しかし、お彼岸は日にちが前もってわかっている行事。
体調が良かったはずの数日前にも掃除はできたはず、と思うのは私のわがままでしょうか。
前日になって連絡してきて、「傘を差せば大丈夫」 と小雨の中追い立てられるのではなく、事前に伝えてほしかったと思った出来事です。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2024年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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