念願のケーキ職人になるも、同僚から嫉妬され、孤立。近所のベーカリーで見つけた【本当の幸せ】

憧れの職場で感じた理想と現実のギャップ

A子は、製菓の専門学校を卒業し、ついに憧れのケーキ屋への就職を果たしました。

そこは、フランスで修行したオーナーが営む評判の良いお店です。

華やかなイメージとは裏腹に、ケーキ作りは体力も必要で、厳しい環境での作業が求められます。

しかし、A子は情熱を胸に懸命に働いていました。

ところが、理想とは違う現実が待っていたのです。

A子は新人で、ケーキ作りの技術を磨こうと閉店後も1人で努力を続けていました。その姿を見たオーナーが、A子に対して他のスタッフよりも声をかけたり、アドバイスをすることが増えた結果、それが同僚たちの気に触ってしまったようです。

同僚たちは、オーナーがいるときは親切で協力的なのに、A子への嫉妬から、オーナーが不在になると皆で冷たく接するようになり、A子は孤立感を抱くようになりました。

心ない言葉に傷つきながらも前を向く

ある日、同僚の1人から、

「もし良かったら仕事終わってから実家まで送ってくれないかな？」

と頼まれたA子。

頼られたことが嬉しくて快諾しましたが、実家に着いた途端「仲良くなりたいわけじゃないから、勘違いしないで」と冷たく言い放たれてしまいます。

A子はショックを受けましたが、「大好きなケーキ作りができるんだから」と自分を励ましながら懸命に働いていました。

新しいチャンスをくれた偶然の出会い

孤独を感じながらも、仕事帰りのひとときだけはA子にとって小さな安らぎの時間でした。

それは、近所のベーカリーに通うこと。

そこで出会った店主が、A子にとって人生の転機を与える存在になりました。

店主と親しくなり、A子がパティシエだと知った彼から「今度うちでケーキを作ってみませんか？」と誘われたのです。

A子は思いがけない誘いに驚きつつも、その提案に興味を抱き、試作品を作ることにしました。

そして彼女が作った試作品を見てオーナーは「素晴らしいね！」と大喜び。

「ここで正式に一緒に働きませんか？」との誘いを受けたのです。

A子は、人間関係で長年悩み続けた職場に別れを告げ、新しい職場で働くことを決意しました。

温かい職場で再び見つけた喜び

新しい職場では、A子の情熱を理解し尊重してくれる仲間が待っていました。

今までの苦労が嘘のように、彼女は毎日ケーキづくりに全力で取り組むことができています。

A子は、自分のスキルを磨きながら、笑顔で仕事ができる幸せを実感しています。

【体験者：40代・女性主婦、回答時期：2024年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター：Yumeko.N
元大学職員のコラムニスト。専業主婦として家事と子育てに奮闘。その傍ら、ママ友や同僚からの聞き取り・紹介を中心にインタビューを行う。特に子育てに関する記事、教育機関での経験を通じた子供の成長に関わる親子・家庭環境のテーマを得意とし、同ジャンルのフィールドワークを通じて記事を執筆。