離婚に至るまでにはいろいろな事情があります。筆者の友人・S恵は、夫からのモラハラに悩んでいました。そんな夫にある出来事が起こり、S恵はついに離婚を決意します。S恵夫妻が離婚に至った出来事とは──?
画像: 「あなたみたいな家族はいらない」息子を巻き込む【体調不良アピール夫】を切り捨てた話

健康診断

私は結婚当初から、夫のモラハラに悩んでいました。
私には仕事を辞めさせて、お金の管理は全て自分が行い、そのうち経済的なDVも行うようになっていきました。
夫は一人息子のMにも高圧的な態度を取り、自分への口答えや反抗を一切許しませんでした。

Mが中学生になった年のことです。
夫は会社の健康診断でひっかかり、検査を受けるように言われました。
小心者の夫はすぐに病院へ。
すると、前立腺ガンであることが判明したのです。

大騒ぎ

夫の病院には、私も付き添ったのですが、医師の話では幸いなことに初期であるため、手術をすることで問題なく生活できるようになるだろうとのことでした。
しかし、夫はまるで命の危険があるかのような大騒ぎ!
私やMが具合の悪いときには「具合悪そうな顔をするな!」「気合いで治せ!」など、さんざんな対応をしてきたくせに、「俺はもうすぐ死ぬかもしれないんだ……。」と勝手に落ち込み「病人を気遣え!」と訳の分からないモラハラを発揮し出したのです。

私は夫の病気のことをMに説明しました。
するとMも「あんなに大騒ぎしてるからもっと重症なのかと思ってた。」と一言。
「騒ぎすぎなんだよ。」と呆れ果てていました。

ユニフォーム

夫は手術後の経過も順調で、医師には「半年に一度の検査で大丈夫でしょう。」と言われたにもかかわらず、「俺は病人なんだ」とアピール!
自分の思うようにならないと、怒鳴り散らす毎日が続きました。

ある日、Mが部活で使うユニフォームを購入することになったと話し出し、12,000円を集金するというプリントを持ってきました。
そのプリントを見た夫は何故か激怒!
「ふざけるな! 俺が具合悪いのに、のほほんと部活なんかやりやがって!」と急に怒り出したのです。

きっかけ

これを聞いたMは「お父さん、お医者さんからも大丈夫だって言われたんでしょ?」と聞きました。すると夫は「医者がどう言おうと、俺は具合が悪いんだ!」と大騒ぎを始めたのです。

そして夫は「俺のことを誰も心配しないなんて、どんな家族なんだ! いらねぇから出ていけ!」と怒鳴りました。

私はこの言葉を言われたとき、何かが切れたような感覚が生まれました。
今まで我慢してきたことが一気に爆発し、「あなたは、私たちが具合悪くても心配なんてしなかったわよね? 分かりました、出ていきます。」と返して、Mと一緒に家を出ることにしたのです。

決意

私はその日、Mと一緒に実家へ避難しました。
夫はすぐに連絡をしてきて「戻って来い。」と偉そうに命令していましたが、
「具合の悪いときに『気合いで治せ』なんて言う家族はいりませんので。」と電話を切り、離婚を決意しました。

「ガン」という病気が心配なのはわかりますが、他人のことには厳しすぎる理不尽な対応をしておきながら、自分のことは心配して欲しいなんて、そんな都合の良い話はないはずです。
夫には必ず離婚届に判を押させようと思っています。

【体験者:40代女性・主婦、回答時期:2024年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。

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