人生の最後に落ち着く場所であるお墓。
最近は子どもが少なくなってきたこともあり、将来的に誰が守っていくのか問題になっている家庭もあることと思います。
これは筆者の知人S子から聞いた、義実家のお墓についてのエピソードです。
画像: 孫差別をしていたくせに──「将来はお前がうちの墓を守れ」急に次男にすり寄ってきた義実家の末路

義母が亡くなる

これは義母が亡くなった時の出来事です。
私の夫T也は長男で、義実家の跡取り息子です。

義母が亡くなった時、義実家にはまだお墓がありませんでした。

お墓を購入することになり、義父とT也を中心に義実家の親族が話を進めていました。

私は嫁ということで完全に蚊帳の外です。
嫁なんてこんなものなのだなと思いながら、墓地購入の流れを見ていました。

購入する墓地が決まり無事に義母の納骨が済んだのですが、この後、義実家の身勝手な考え方に不快な思いをすることになったのです。

長男と次男の扱いが違う義実家

私とT也との間には5つ違いの息子が二人います。

義実家の親族は長男のY汰ばかりを「小林(仮名)家の跡取り息子」と言ってかわいがっていました。

お宮参りをはじめ七五三、学校の入学・卒業の時もY汰と次男のM佑とでは扱いがぜんぜん違ったのです。

M佑が小さかった頃はまだしも、成長するにつれて兄と自分に対する義実家の扱いの違いに気づくようになりました。

義実家に行った際に少し寂しそうな顔をするM佑が不憫でなりませんでした。

婿養子に入った長男

Y汰は高校卒業後、大学進学のために家を出て地方で一人暮らしを始めました。

そのまま大学がある街の企業に就職し、職場で出会った女性と結婚したY汰は、一人娘だった女性の家に婿養子に入ってしまったのです。

そのとたんに義実家の義父をはじめとする親族が、手のひらを返したようにM佑に対して優しくなりました。

義父は急にM佑にたくさんお小遣いをあげはじめ、挙句の果てに
「将来はお前が小林家のお墓を守っていくんだ」
と言い出したのです。

私はその変わり身にドン引きしました。

家や墓にしばられないで自由な人生を

「今までさんざんM佑に冷たくしてきたのにその言いぐさはないだろう」
と私は憤慨しました。

M佑には
「大切なのは家ではなく、あなたの人生。家やお墓にしばられることはないよ」
と告げました。

数年後M佑も結婚しましたが、結婚相手に選んだのは職場で出会った地方出身の二人姉妹の長女。

二人はいずれ結婚相手の実家がある街に住みたいそうです。

私は自分が死んだ後は共同墓地に入り、残った人たちの手をわずらわせたくないと思っています。

お墓を守る人がいなくなったとあたふたする夫と義実家の人たちを見て内心、小気味よく思っている私でした。

【体験者:50代・パート、回答時期:2024年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

Itnライター:K.Sakura
セラピスト・販売員・介護士の職を通じて常に人と関わる職務経験から得た情報を記事化するブロガーを志す。15年ほど専業主婦兼ブロガーとして活動するも、モラハラな夫からから逃げるために50代にして独立。母としては、発達障害のある子どもの育児に奮闘。自分の経験が同じような状況に悩む人の励みになって欲しいと思い、専門ライターに転身。アラフィフでも人生やり直しができることを実感。

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.