子どもの教育方針は、各家庭で異なるものです。しかし、夫婦で方針が異なることでトラブルに繋がることも少なくありません。これは筆者の友人・Y恵のお話。教育熱心な父親にNOを突き付けた子どもとのエピソードです。
画像: 「サッカーなんて無駄」「英語の方が大事」夫に習い事を強制させられた息子 → ついにブチ切れ!

教育熱心な夫

私の夫は絵に描いたようなエリート。
私は結婚と同時に専業主婦になり、何不自由ない生活を送らせてもらっています。

夫はとにかく教育熱心で、一人息子のH斗に小さい頃から勉強や習い事をみっちりさせていました。
お金に余裕もあることから、月々の習い事の費用は10万円越え。
私が「少し休ませてあげれば?」と言っても「小さい頃からの習慣が大事なんだ。」「子どもは綿のように知識を吸収できるんだ。」など、一切自分の信念を崩そうとしませんでした。

相談

H斗が小学校の高学年になった頃、相変わらず平日は放課後に毎日習い事や塾。
週末は家庭教師をつけて、私立中学の合格を目指していました。

ある日、H斗から改まって「お母さんに話がある。」と言われました。
どんな内容なのかを聞くと「友達がサッカーのクラブに入ってるんだけど、僕もやってみたい! お父さんに相談してみても良い?」と言うのです。
確かにH斗は、運動系の習い事はしていなかったので、私は「相談してみようか。」と答えました。

その日の夜、夫の帰宅後にH斗が話をすると「ダメだ! 時間がないだろ?」と一蹴。
H斗が「だって週1回だけだよ? 英語の塾を1日減らせばできるじゃん!」と言ったのですが
「サッカーなんて習っても何にもならないだろう? 英語はこれから絶対に必要になる。サッカーよりも英語だ!」とH斗の話を一切聞かなかったのです。

抗議

意見を聞こうとしない夫の態度に、H斗が初めて反抗しました。
「僕は嫌だ! お父さんの言いなりになって、友達との時間が無くなるのは嫌なんだ!」と泣きながら抗議したのです。

これには夫もビックリし、「そんなつもりはないんだ。ただ、将来H斗が困らないようにと思って。」と言ったのですが、H斗は「僕はもっと友達と遊びたい! お父さんの言ってることもわかるけど、僕の気持ちも分かって欲しい!」と感情を爆発させました。

反省

H斗は普段とても温厚で、感情を爆発させることなどほとんどありません。
そんなH斗の本音を聞けたことで、夫は驚きながらも、初めて自分が押し付けていたことが負担になっていたんだと気付いたようでした。

息子のためとはいえ、夫も反省し「勝手に決めて悪かった。これからは一緒に相談しながら決めよう。」と息子に謝罪。
H斗は週1回のサッカークラブに参加することになり、英語の塾は1日だけ減らすことになりました。

確かに夫の言うことにも一理ありますが、子どもは親の所有物ではありません。
子どもの意志を尊重しない子育ては、トラブルの元になるんだとH斗に教えられた気がします。

【体験者:40代女性・主婦、回答時期:2024年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。


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