『言葉でわかりやすく伝える』って意外と難しいですよね。しっかり説明したつもりが、実は全然伝わっていなかった、なんてこともしばしば。今回は、指示がわかりにくい上司に悩まされていた知人から聞いたエピソードをご紹介します。
画像: 上司「いい感じでよろしく」でも「思ったのと違うからやり直し」そんな雑な指示じゃ分かりません!!

「いい感じで」が口ぐせの上司

以前勤めていた会社に、「いい感じで」「適当で」が口ぐせの上司がいました。

「過去のデータ探してきて。期間? 適当でいいよ」
「この情報要約して、会議資料作って。いい感じで」

『適当な期間』、『いい感じ』なんて大ざっぱすぎる指示。そのため当然、
「えっ、この期間じゃないよ、昨年度のなかでって言わなかったっけ?」
「資料、なんか思ってたのと違うんだよね」
と、やり直しになることもしょっちゅうで、心のなかで何度も「先に言ってよ!」とツッコんでいました。

私も同僚も、なんとか具体的な指示を仰ごうと、
「適当な期間とは、直近のものなどの希望はありますか?」
「資料を作るにあたって、会議の議題や重点を置くポイントはどこですか?」などと確認しようと試みたものの、毎回

「いいからとりあえずやって!」と言われるばかり。
私たちは、この指示のおかげで無駄に仕事量が増えていることに、もやもやをつのらせていました。

異動してきた女性社員

そんなとき、女性社員のAさんが異動してきました。

まだ異動したてのAさんにも、上司はおかまいなしで「いい感じでよろしく! 」といつものセリフを口にします。

私は『Aさんきっとわからないだろうな、あとでこっそり声かけよう」と思っていました。すると、Aさん「いい感じとは?」
上司「いい感じって言ったらいい感じだよ。徐々にわかってくると思うからとりあえずやってみて」

他の人に同意を求めるも……

Aさん「徐々にわかる部分ももちろんあるかと思いますが、最低限必要な情報のご説明をお願いします」とはっきり言い切りました。

上司は私たちに「いい感じでわかるよねえ?」と同意を求めてきました。

思わず全員が「わかりません」と即答。
「えっそうなの?」と驚いた上司。
今まで何度も言ったのに、全然伝わってなかったようです。

ですが、ようやく理解してくれたのか、さすがに全員一致で言われたら認めざるをえなかったのか、どちらにしろ、それ以降指示を改善してくれるように。
その結果、今までのようなやり直しが減ったことで業務がスムーズになりました。

まとめ

上司も横暴なことをしてやろう、というわけではなく、本当に『いい感じ』で伝わると思っていたのかもしれません。ですが、いい感じなんて人それぞれ。むしろ、いい感じにしてほしいときこそ、きちんと言葉で説明することが大切ですね。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2024年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:橘るい
IT企業での激務を経験する中、落ち込むことがあった日でも、ほっこりしたり笑える良い話に勇気づけられ、自らも読者を元気づけたいと思いライター業をスタート。キャリアを生かして、友人知人に取材。記事にするコラムライターとしてltnで活動中。


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