あなたは身内の介護をした経験がありますか? 今回は介護経験のなかった私がとある出来事で、介護の大変さや重要なことに気付かされた体験を紹介します。要介護の人にたいして、ただただ気持ちを優先させてあげると、ときにトラブルを招きかねません。
画像: 要介護の祖母「ここに座りたい」私「座らせてあげれば?」→ でも【叔母の一言】に、私が反省したワケは?

介護が必要な祖母

私の祖母は昔からハイカラでとにかく明るい女性です。祖母はアメリカ育ちということもあり、パーティーが大好き。そんな祖母ですが年を重ねたことにより、いまでは入浴介助や家事の代行が必要な要介護状態にあります。

幸いにも祖母の住む家の近くには、もともと介護を仕事にしていた叔母が住んでいます。そのため祖母の入浴や家の掃除、毎日の食事などは叔母が面倒を見てくれていて、ほかの家族も安心して暮らせる状態です。

パーティーを開催

パーティー好きの祖母は昔からなにかとパーティーを開催しがちですが、介護が必要になった現在でもパーティーを開催すると企画を練り始めました。

私たちも準備を手伝い、当日は多くの人が祖母の家に集まりました。すると普段から置いてある椅子では数が足らないことに気がつき、ほかの部屋から椅子を運んでくることに。

準備が整うと祖母は「私ココに座るわ。」と祖母が普段座っている椅子とは別の、背もたれのない椅子を指さします。

その祖母の発言を聞いた叔母は「いつもと違う椅子に座っちゃダメ!」と怒り始めてしまいました。祖母が可哀そうに感じたので「おばあちゃんが座りたいところに座らせてあげたらいいじゃん!」と祖母のフォローに回ることにしました。

背もたれのない椅子がダメな理由

私が祖母の気持ちを優先しようとフォローを始めると叔母は「じゃあいつもと違う椅子で背もたれがなくて転げて骨折でもしたらどうするの? いまは夜で病院も開いてないし、そのあとだって生活しにくくて苦労するのはおばあちゃん本人なんだよ。無責任に庇うことが正義じゃない。」と、いつもと同じ椅子に座すべき理由を話してくれました。

私は後先を考えず、ただ祖母の気持ちを優先したい、怒られて可哀そう、と勝手な発言をしたことを反省しました。

介護が必要な人と接する際には、何気ない行動ひとつでも、その前後や背景を考えて、危険察知していくことが重要なんだと気付かされた出来事です。良かれと思ってのことでしたが、ただ優しくするだけでは、ときに大けがに発展してしまう可能性があると勉強になりました。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Emi.A


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