これは私が保育士をしていた頃の体験談です。私が教育係を担当していた新人A子は、日焼け対策には余念がない絶対に焼かない美白命女でした。子どもが怖がろうが、子どもを待たせようが、自分の美白が何より大事だったA子の末路とは……?
画像: 美白が命ゆえに【不審者ルック】のまま外仕事する後輩 → 注意すると「先輩みたいになりたくないんで」

新人保育士は美白命女!

保育士をしていた頃、新人の後輩A子の教育担当を任されることになりました。
愛想もよく、テキパキと仕事をこなすA子でしたが、一つ大きな問題があったのです。

A子は何が何でも日焼けをしたくない美白命女だったのです。それはもう年中毎日の日焼け対策には余念がありません。

子どもと外で遊ぶときには、日焼け止めクリームをしっかり塗るのはもちろんのこと、不自然なほどつばの広い帽子にアームカバー、顔から首にかけては日よけストールを巻いて、肌を絶対に露出せずに見えているのは目だけという状態です。

その準備にも時間がかかり、子どもたちを待たせる上に、目しか見えていない姿に子どもたちは怖がっていました。年齢の小さい子に至っては泣き出す子もいるくらいでした。

全身黒ずくめの不審者

子どもと外で遊ぶ時以外にも、テラスの掃き掃除やゴミ捨てなどを頼むと、日焼け止めを塗り直し、自分のカバンから日傘を探してから、日傘をさしながら行う始末。あまりの徹底ぶりに呆れてしまいました。

室内にいるときでさえ、窓際は紫外線が入ってくるため、窓際に行くことを避け常に部屋の真ん中にいました。

夏のプールの時期はもうたいへんです。全身真っ黒に覆われた水着でまるで不審者のような驚く格好でやってきました。けれど、中々子どもが近寄りたがらず、それも無理はありません。

さすがに園長先生からも忠告を受け、私がやりすぎだと注意すると、A子は信じられない一言を放ったのです。

まじまじと顔を見つめ言われた一言

私の顔をまじまじと見つめ、「将来、絶対先輩みたいになりたくないんで!」

そりぁ若いA子に比べ、これまでの日焼けの結果シミもしわも深く刻まれた肌ですよ。でも、保育士という仕事上、ある程度は覚悟の上です。何よりも子どもと楽しむことや子どもの安全を守ることが大切で、自分のことは二の次、と思ってこれまでやってきました。

これまで新人のA子をフォローし、保育士としての在り方を伝えてきましたが、さすがにカチンときて「保育士向いてないんじゃないの!?」と言いかけましたが、ぐっと我慢してやめておきました。

日焼けが原因で退職!?

翌年、A子は1年で退職。理由は一身上の都合ということでしたが、もしかしたら日焼けしたくないからだったのではないでしょうか。

日差しが強くなってきたこの時代、日焼け対策は必要ではありますが、何事もやりすぎはよくありませんね。

日焼けしたくない気持ちはわかりますが、保育士は仕事上、多少の日焼けは避けられません。A子が今は日焼けとは無縁の職場で頑張っていると信じたいです。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Kumi.M


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