新学期がスタートし、親も子もドキドキの毎日ですよね。しかしそんな中、小学生の娘に学校でトラブルが起こってしまいます。 今回は、筆者の知人Aさんから聞いた実体験エピソードをご紹介します。
画像: 【頻繁に物をなくす小学生の娘】を叱るも → 実はなくしていた訳ではなく──原因は、娘のクラスメイト?

物をすぐなくす小学生の娘

Aさんの娘・Bちゃんはこの春で小学3年生。元々しっかり者のBちゃんでしたが、「3年生になった途端だらしなくなった」とAさんは感じていました。

その理由は、Bちゃんがすぐに物をなくしてくるようになったから。特に鉛筆や消しゴムなど、新しいものを買ってあげても「学校に落としてきちゃったからまた買って」と言ってくるようになったのです。

そんなBちゃんにAさんは腹を立てていました。ただ、筆記用具を買わないわけにはいかないと思い、「これで最後だからね」と毎回注意をして買い与えていました。

なくした物の意外なゆくえ

そんなある日、また「鉛筆をなくした」と言ってきたBちゃん。もうAさんはカンカンです。「自分のお小遣いで買いなさい!」とBちゃんを叱りました。

その翌日、たまたまBちゃんの友達のママと出くわしたAさん。そのママにこう声を掛けられます。

「これ、Bちゃんのでしょ」

彼女が手にしていたのは、Bちゃんが昨日なくした鉛筆でした。

「うちの子がBちゃんからもらったって見せてきたの。他の子にも配っていたみたいだよ」

この話を聞いたAさんはとても驚きました。「うちの娘はものをなくしていたんじゃなくて、友達にあげていたの……?」と。

友達がほしかった

「どうして鉛筆を友達にあげたりしたの!?」

Aさんは強い口調でBちゃんに尋ねました。すると、Bちゃんは泣きながらこう話し始めたのです。

「友達ができなくて悩んでいた。そんなとき『その鉛筆かわいいね』って女の子たちが褒めてくれたから、うれしくなってあげちゃった」

Bちゃんが1人の友達に1本鉛筆をあげると、他の子も「私も!」と言うように。いけないことだと分かっていたBちゃんでしたが、断ったら嫌われると思い断れなかったのです。

娘の本当の気持ちを知って

Bちゃんは物をなくしていた訳ではなく、友達にあげていたのです。真実が分かったAさんは、「人から好かれたい」という娘の気持ちが少し分かる気がしました。そんな気持ちに対して怒ってしまって、申し訳ないことをしたなとも思いました。

「褒められるのは嬉しいよね。でも、自分の物をあげるのはいけないことだよ。本当の友達なら、物をあげなくてもBのことを嫌ったりしないよ」

そして、AさんはBちゃんに二度と同じことはしないように説得したのでした。それ以後は、物をなくしてくることはなくなり、時間の経過と共に友達もできていったそうです。

友達がほしいがゆえに、自分の物をあげていたBちゃんには驚きました。気持ちもわかるので、こういう場合は、子供の行いを責めるだけでなく、気持ちに寄り添ってあげることが一番大切なのかもしれません。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:花澤ひかる


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