恋は盲目とよく言ったものですが、恋をしている間は目にフィルターがかけられたように相手のことが良く見えてしまうことって誰にでもありますよね。
今回はカッコよく見えていた不倫相手なのに、ふとしたきっかけで幻滅してしまった経験のある私の友人Yさんのお話です。
画像: ftnews.jp
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不倫相手は40代の上司

Yさんは当時大学を卒業し、新卒で入社したばかりの24歳。入社してすぐに上司(当時45歳)と不倫関係に陥ってしまいました。

「ええー!! そんなオッサンと不倫して楽しいの?」
友人のJさんに不倫を相談すると、Jさんはあっさりと上司をオッサン呼ばわり。それもそのはず、Yさんと上司は20歳以上離れているのですから。
「オッサンって言わないでよー、ダンディーでカッコイイんだから!」
若い女性なら、年上の男性に憧れる時期が一度くらい来ることも珍しくはありません。

Yさんもちょうどその時期で、仕事ができて頼りがいのある上司が、同世代の男子よりカッコよく見えていたのでした。

「悪いこと言わないから不倫なんてやめなよ、私の同期紹介したげる!」
Jさんはそう言って勝手にYさんのLINEを誰かに送ってしまいました。
「ちょっと、やめてよ……」
「いいじゃん、イケメンだよ? 絶対不倫よりいいから!」
まもなくJさんの同期からLINEが来て、Yさんは渋々その男性とLINEでやりとりをすることに。

同世代と遊んでみると……

「Yちゃん! こっちこっち!」
あれよあれよという間に、YさんはJさんの同期の男性とJさん、Jさんの彼氏でダブルデートがセッティングされました。初めて会うJさんの同期は噂通りのイケメンでしたが、自分には上司がいるし……とYさんは全く興味が持てません。
「どう? イケメンでしょ。あいつYちゃんのことめっちゃかわいいって言ってたよ」
「んー、私にはちょっと若すぎかな」
「何言ってんの、同い年じゃん!」
Jさんはどうしても同期の男性とYさんをくっつけたいようでした。というより、不倫をやめさせたかったのでしょう。

「Yちゃん、あのさ」
「なにー?」
みんなでカラオケボックスで騒いでいる途中、ふいにJさんの同期の男性がYさんに近づいて言いました。
「今度は2人で遊ぼうよ。遊園地とか、水族館とかさ」
「いいけど……」
Yさんは顔をあげて、Jさんの同期の男性を見上げました。髪の毛や肌がみずみずしくハリのある、若さにあふれた男性にYさんはふと上司の顔を重ねて見てみました。やはり少し、子どもっぽい感じ。
「じゃあ決まりね、次の土日で」
「オッケー」
いつも上司と会うのは平日の夜だけ。土日は寂しく過ごしていたので、気晴らしにいいかと思ってOKしたのでした。

やっぱ……オジサン!?

それから週末の度にYさんはJさんの同期の男性に誘われてデートに出かけ、何故か平日に上司と会う回数は減っていきました。

「最近誘ってもあんまり来てくれないんだね、寂しいな」
その日は久しぶりに上司と2人でホテル。Yさんの肩を抱きながら上司が言いました。
「ちょっと、忙しくて……」
「そうなんだ、男でもできた?」
「そんなんじゃないですよ」
実はYさん、平日の夜はJさんの同期の男性と寝るまでLINEでやりとりをするのが楽しくなっていたのでした。
やはり同世代は話が合いますし、Jさんの同期の男性とは趣味が映画鑑賞という共通点があったせいもあるでしょう。
「ちょっと妬いちゃうな」
上司はそう言いながらYさんに顔を近づけて、キスしようとします。Yさんはまだ上司を好きな気持ちがあるのでうっとりと上司を見上げました。
「……ん?」
Yさんは上司の顔を間近で見て、猛烈な違和感に襲われました。最近同年代の男性としか近づいていなかったので、上司の肌の質感や髪の元気のなさが、異様に目につくのです。
「あ……! やっぱ私、今日は帰ります!」
思わず上司の顔をぐっと押しのけて、Yさんはホテルを出ました。

「やっぱオジサンだった……あんなにオジサンだったっけ!?」
Yさんの目から、恋のフィルターが外れた瞬間でした。

その後Yさんは上司と別れ、Jさんの同期の男性と交際を始めることになりました。やはり年の差がありすぎると、恋した相手でもオジサンに見えちゃうことがあるんですね。

ftnコラムニスト:緑子


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