仕事にはプライベートを持ち込まないのが社会人としてあるべき姿ですが、小さな職場の場合そうは言っていられないところもあります。
今回は私が経験した小さなパート先での出来事をお話します。
画像: ftnews.jp
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従業員が2人の雑貨店

当時私がパートとして採用されたのは、従業員がパートの私と店長の2人しかいない小さな雑貨店でした。どうやら私の前のパートさんが急に辞めてしまったらしく、私は面接に行ってその場ですぐ採用されたのです。

店長はいかにも仕事のできそうな女性で、私より少し年上。バツイチの独身だそうで、2人で店番をするときは私の結婚生活の悩み相談にもよく乗ってくれました。

「どう? 仕事にはもう慣れた?」
ある日、この雑貨店のオーナーであるという人物が店に顔を出しました。私はオーナーに会うのは初めてでしたが、なかなかダンディなおじさん、という感じの男性。
「はい、店長によくしていただいています」
「それならいいんだ、よろしくね」
「じゃあ私たちお昼に行ってくるから、お店よろしくね」
店長はウキウキとした様子で、オーナーと店を出て行きました。なんとなくその様子が親し気だったので、もしかしたら付き合ってるのかな? でもオーナー指輪してたし、もしかして不倫? と思いつつ、あまり2人の関係には触れないでおくことにしました。

オーナーが度々来るように

それからというもの、なぜかオーナーは私が一人で店番をしている時にお店にやってくるようになりました。

あまり関わりたくはないものの、やはり上司なので話しかけられたら答えますし、ブスっとしているのも失礼なので多少の愛想笑いはします。

ある日、私とオーナーが話をしている時に急に店長が店に入ってきました。
「あ、店長。早いですね!」
出勤時間よりかなり早い時間だったのでそう言うと、店長は私をにらみつけて言いました。
「自分の店に早く来ちゃいけないっていうの? ヘラヘラしてないで仕事しなさいよ! 」
「あ、はい……すみません」
慌てて商品の整理に出ると、レジの奥でオーナーと店長の言い争うような声が聞こえました。

嫌がらせの始まり

その日から店長は人が変わったように私をいびるようになりました。ささいなミスでも見つけたら鬼の首を取ったように怒鳴りつけられますし、私物を入れているロッカーのカギを壊されてカバンに水をかけられたこともありました。

オーナーが来る日はおとなしいものの、私はすぐに店から出されて外の掃除しかさせてもらえません。

「こんなに仕事のできない人見たことないわ!」
出勤の度にそう怒鳴られていましたし、すっかり心が疲れてしまった私はそのお店を辞めようと決めてすぐ、店の方から理由も告げられずに解雇されました。

本当にえらい目にあったと友人に愚痴ると、友人曰く「オーナーをあんたにとられると思ったんじゃない?」とのこと。そんな気はないのに、本当に迷惑な話です。

その後その雑貨店はすぐにつぶれてしまったのですが、まあ店長があの調子では当たり前ですよね。そして私は、従業員の少ないお店ではもう働かないようにしようと決めたのでした。

ftnコラムニスト:緑子

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