たまには実家に帰って、両親に甘えてのんびりしたい……と思う時もありますよね。しかし両親が住んでいる場所が、必ずしも自分の実家、というわけではないこともあります。
今回はお姑さんを引き取ったら、義姉からひどい仕打ちを受けたUさんのお話です。
画像: ftnews.jp
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お姑さんと同居に……

もともとUさんは旦那さんと2人の子どもとの4人で、マンションで暮らしていました。

マンションからほど近い場所にある義実家には義父と義母の2人暮らしでしたが、ある年に舅が亡くなってしまい、ひとりになってしまったお姑さんが寂しいだろうと思い、広めの一軒家を購入して同居することにしました。

幸い嫁姑の仲は良好だったので、5人になった家族は仲良く暮らしていました。
しかしある日、旦那さんのお姉さん、つまり義姉がその家に現れたことで事態は一変してしまったのです。

「ふうん……いい家ね。でも私ならこんな壁紙にしないけど。どうせUさんの趣味でしょ? 」
義姉は性格がキツくお金にがめつい女性。Uさんのこともよく思っていないようで、口を開けば意地悪ばかり。

義姉一家は最近旦那さんの転勤でUさんの住んでいるところの隣り町に引っ越してきたことをきっかけに、たびたび現れてはお姑さんにお小遣いをせびるようになりました。

毎日のように現れる義姉

「お母さん! 来てあげたわよ。Uさんほんと気が利かないわね、早くお茶用意してよ」
義姉はUさんの家が気に入ったようで、毎日のように現れてはお姑さんの部屋だけではなく、家族団らんの場所であるリビングを占領してゴロゴロするようになりました。
「ねえUさん、お昼はパスタがいいわ」
「Uさん、お茶菓子買ってきて」
「Uさん、うちの夕飯用のお惣菜買ってきてよ」
Uさんの姿を見ればあれやこれやと用事や買い物を言いつける義姉。その度にお姑さんが自分のお財布からお金を出し、すまなそうにUさんに頼むのでした。
それを見た義姉は、「お母さん、もうそんなにお金渡さなくていいんじゃない? うちの優秀な弟が稼いでるから、Uさんみたいな気の利かない女を養ってあげられてるんだもん」などと言い出す始末。

「そもそもこの家だってお父さんの遺産で買ってあげたんでしょ? いいわよねえUさん。うちなんか賃貸マンションよ! ねえお母さん、Uさんに渡すお金があるならうちにもちょっと援助してよ~」
まるで自分の実家のようにUさんの家でくつろぎ、お金を無心する義姉。Uさんの子どもたちも、義姉がテレビを占領しているうえに、顔を合わせると嫌味を言われるので、学校から帰るなり自分の部屋に閉じこもってしまいます。

「このままじゃ家族がくつろげない家になっちゃう……」Uさんはとうとう耐えきれなくなり、旦那さんに相談しました。

旦那さんからキツ~い一言!

「わかった、俺がちゃんと言うから」
旦那さんはUさんとお姑さんから話を聞き、義姉を家に呼び出しました。

「なんなのよ話って……」
「あのさ、姉さん」
実は旦那さんも幼い頃義姉にいじめられて育ってきたので、義姉のことをあまりよく思ってはいません。そんな義姉がずっと家にいては、旦那さん自身もくつろげずに困っていたのでした。
「あんまり頻繁にうちに来るのやめてくれよ」
「え、なんで? 嫁に出た娘が実家に帰ってきちゃいけないっていうの!? 私だってお母さんの子なのにひどい!!! 」
「来るなって言ってるんじゃない、来る回数を減らしてくれって言ってるだけだろ」
「えー!!! ここはお母さんが建てた家でしょ? なら私の実家だし、好きな時に来ていいじゃない! 」

旦那さんは深くため息をつき、お姑さんとUさんに目で合図をしてから言いました。
「あのさあ……ここはあんたの実家じゃねえから! 土地もUの実家のもんだし、Uの実家にお金出してもらって建てた家なんだよ!!! 」
「……はあ? 」
実はUさんの実家は、この町にいくつも土地を持っている大地主。お姑さんと一緒に住むと決めたUさんのために、Uさんの両親がお金を出して家を建ててくれたのです。
「じゃ、じゃあお父さんの遺産は? 」
義姉の質問に、今度はお姑さんが答えました。
「……私の葬式代に残してるのよ。第一そんなに遺産なんかないからね!? お父さん見栄っ張りだったからあちこちに借金もあったし、清算するのもUさんが色々手続きしてくれたんだから! 」
「そんな……」
自分が我が物顔でくつろいでいた家が、実は気に入らない弟嫁の実家のものであることを知った義姉は、それからはUさんの家に顔を見せることがぐんと減ったそうです。

またお姑さんだけには「年金が余ってるなら小遣いをくれ」とせびっているようですが、お姑さんも義姉のUさんへの態度にすっかりあきれていたので、全く取り合っていないそうです。自業自得ですね。

ftnコラムニスト:緑子

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