知人のAさんは老舗の旅館に嫁ぎました。多少の覚悟はして飛び込んだものの、そこは今時ありえないくらいの「姑関白」!? 「ノー」なんて言えない、とんでもない世界とは……?

嫁いだ先は「老舗旅館」だった!

「旅館の女将」なんて聞くと、品があって落ち着いてて奥ゆかしいイメージをする人も多いはず。ですが、A子さんが嫁いだ先はとんでもない家だったそうです。
朝から晩までスケジュールはみっちり詰まっており、休憩時間なんてほんのわずか。それ以外は、ずっとあっちに行ったりこっちに行ったりと、休む暇などなかったそうです。

「YES」それしか許されない世界

A子さんも、多少の苦労は覚悟をしていましたが、想像以上に辛い生活でした。
どんなに理不尽なことでも、「はい」以外の返事は認められない、まるで軍隊のようなところだったそう。
風邪をひいて寝込もうものなら、枕を蹴られ「いつまで寝てるんだ!」と女将さんにどやされる、そんなところだったんです。

毎日のスケジュール

A子さんのスケジュールは、朝起きて、自分たち家族の布団を上げるところから始まります。それが終わると厨房へ行き、朝のまかないの準備と、お客様の朝食がきちんと作られているかを見て回ります。その後、従業員が朝食を食べてる間に、全ての廊下の床拭きをしないといけません。

それが終わってやっと、朝食にありつけるのだそう。朝食が終わると、今度はお客様の部屋の布団を上げ、掃除をします。そして従業員のまかないの準備……夜までバタバタとノンストップで働き続け、そしてまた翌朝を迎えます。

こんな結婚生活は想像してなかった

忙しいだけではなく、A子さんの意見は何を言っても通らず、首振り人形のように「はい」と答える日々でした。奴隷のように扱われ、たまに体罰もあったくらいです。まるで地獄でした。

夫は女将の性格を良く分かっていたので、A子さんのことを庇うこともせず、見て見ぬふり……。そんな状態が2年続き、A子さんは身体を壊して入院する羽目になりました。

入院中、追い討ちをかけるように、旅館の弁護士からいきなり離婚届を渡されました。Aさんは惨めな気持ちで、泣きながらサインをしたそうです。

使い捨てのように扱われ、深く傷ついたAさんでしたが、筆者は2年で離婚できたのは、不幸中の幸いだったのかもしれないと思いました。人を人とも思わないブラック旅館は、きっとどこかで痛い目をみることになるでしょう。Aさんは、吹っ切れたように今は幸せ、と前を向いて進んでいます。

ftnコラムニスト:アッキーム

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