独身で結婚願望はあるけれど出会いがない。そんな時、異性を紹介してくれる親切な人っていますよね。単純に幸せになることを願って紹介してくれる人がほとんどですが、中には何か企んで紹介してこようとする人もいるようです。
今回は異性を紹介してくれる親切な人だと思ったら、実はそうではなかったという経験をしたMさんのお話です。

親切な近所のおじさん

Mさんは20代後半の独身女性で、実家で両親と3人暮らし。4つ上のお姉さんが最近結婚をして家を出てから結婚に夢を抱いています。しかし職場は女性ばかりで出会いがなく、友達に紹介を頼んで出会った人ともなかなかうまくいかないことで悩んでいました。

「そういえば、同じ町内会の人があんたにいい人紹介しようかって言ってたよ」
ある日、町内会の集まりから帰ってきたMさんのお母さんが言いました。お母さんはここ数年町内会の役員をつとめ、行事や会合に積極的に参加しています。町内会にはお母さんと同じくらいの年代の人が多いせいか、役員の活動を楽しんでいるようでした。

「え、そうなの?ぜひお願いして!」
Mさんは喜んでその話を受けることに。
「じゃあ1回その人と会ってみる?」
「うん、そうだね」
お母さんが言うにはその町内会の人はバツイチの50代男性。仕事で若い男性と接することが多いため、知り合いも多いとのこと。

そこでMさんは次の休日に、お母さんと町内会の男性と3人でランチに行きました。
「君がMちゃんか、かわいらしいからすぐいい人見つかるよ」
その男性は明るく人付き合いの良い印象で、お母さんとも随分親し気。町内会の活動でよく顔を合わせるようになり、「娘が出会いがないと嘆いている」というのを相談したところ、「俺が誰か紹介してあげるよ」という展開になったそうです。

次々と紹介されるものの…

「よろしくお願いします!普通の男性で良いので」
Mさんはその男性に好みのタイプなどを伝えました。

すると数日後には町内会の男性から連絡があり、あっという間に食事会のセッティング。お見合いのようにお母さんとMさん、町内会の男性と紹介された男性の4人でレストランへ。そしてお決まりの「あとは若い人だけで…」とお母さんと町内会の男性は先に店を出ました。

残念ながらその男性とはあまり会話が弾まず、Mさんからお断りすることに。

なんと町内会の男性はよほど顔が広いのか、Mさんと紹介の男性が上手くいかないと次から次へと同じパターンで男性を紹介してくれます。しかしMさんからお断りしたり、中にはMさんが気に入っても向こうからお断りされたり、なかなか将来を考えられそうな人は見つかりません。

それでも町内会の男性はどんどん次の男性を紹介してくれます。本当に親切な人だなあと思っていたMさんは、結婚して違う県に住んでいるお姉さんに電話で今婚活に苦戦していることを相談しました。

お姉さんの口から出た真実とは

『お姉ちゃん、〇〇さんって知ってる?町内会の。その人がすごい親切で、めっちゃ紹介してくれるんだよねー。でもどんな人がいいのか自分でもいまいちわかんなくて…』
お姉さんは電話の向こうで大きくため息をつきました。
『あー、お母さんまだ〇〇さんと付き合ってんだ?』
『え?付き合ってる?どういうこと?』
お姉さんの口から出てきたのは驚きの真実でした。

お姉さんが実家の近くに用事があったのでたまたま何も連絡せずに帰ったところ、お母さんが家でその町内会の男性と抱き合っているのを目撃してしまったというのです。幸いお母さんには気づかれませんでしたが。

『何それ、不倫じゃん!』Mさんは驚きのあまり声をあげました。
『うん、不倫だね。お父さんはなんも知らないみたいだけど。〇〇さんがそんなに次々紹介してくるってことはさ、Mちゃんを早く嫁に出させて、お母さんと再婚したいんじゃない?』
『ええええー!!!』
そういえばいつも紹介の男性と2人にされてからお母さんは町内会の男性と一緒に帰っているはずなのに、Mさんが家に戻ってもまだ帰っていないことがあったと思いだしたMさん。

『最悪じゃん…』
『うん、だから私も最近実家帰りたくないんだよね。Mちゃんがどうするかは自由だけど、お父さんには言わない方がいいかも』
『わかった…』

婚活はしたいけれど、母の不倫相手が紹介してきた相手と結婚して、まんまと家を出されるのは嫌だな。そう思ったMさんはそれ以降町内会の男性からの紹介は断るようになり、お母さんを見る目も変わってしまったそうです。

現在もMさんはまだ実家で暮らしていますが、最近お父さんが少しずつ、お母さんの不審な行動に気付き始めているとのこと。それにしても、自宅に不倫相手を連れ込むなんてお母さん大胆すぎますね。

ftnコラムニスト:緑子

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