政治家ともなれば、色々な面でクリーンでいなければならないという印象がありますよね。今回は養育費を払おうとしない元旦那が市議会議員に立候補すると聞き、なんとか養育費を払ってもらうために奥の手を使ったKさんのお話。
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離婚の原因とは

Kさんは3人の子を抱えるシングルマザー。元旦那とは性格が合わず、4年前に離婚しました。

子どもたちはパパが大好きでしたが、パパにはとある大きな夢があり、それについていけずにKさんが離婚を切り出したのです。

その夢とは、政治家になること。実際市議会議員に立候補するため、元旦那さんはKさんと結婚している時から様々な市民団体の長を務めたり、政治家の先生のパーティーでコネを作ったりと準備に奔走していました。

子どもがまだ小さいのに、なかなか家にいることのない旦那さん。子どもに寂しい思いばかりさせる人とはもう一緒にいられないと思い、Kさんは離婚を切り出したそうです。

途絶えた養育費

3人の子の養育費を成人するまで毎月払ってもらうという約束だったのに、元旦那さんは市議会議員選挙を控えて忙しいのか、Kさんが催促しないと振り込まないといった様子。 

しびれを切らし、旦那さんのスマホに何度も催促の電話をかけるも、スルー。そのうちに元旦那さんがKさんの電話番号を着信拒否したのか、呼び出し音すら鳴らずに切れる始末。

Kさんは子どもを抱えて、仕事を3つ掛け持ちして生活費を工面していました。

「私がかけたら出ないから、ちょっと電話借りていい?」
そう言ってKさんが友人のスマホを借りて電話をかけることもしばしば。知らない番号からの電話は一応出るようで、繋がった瞬間に「私だけど!」とKさんが言ったら切れる、の繰り返しでした。

残された奥の手とは…

ある日Kさんは過労のため職場で倒れてしまい、しばらく入院することに。子どもたちは実の母に預け、仕事も休まざるを得ない状況になってしまいました。

「もう我慢できない…!」
Kさんは重い身体を引きずり、病棟の公衆電話へ向かいました。
「…はい、〇〇です」
受話器の向こうから聞こえてきた元旦那の声。Kさんはできるだけ弱々しい声を作って語り掛けました。
「あなた?私だけど…ねえ、切らないで。今病院からかけてるの」
「病院?誰か体調悪いのか?」
「うん…ちょっとね」
いつもと違うKさんの弱々しい声に、元旦那さんも少し心配した様子だったそうです。

「大丈夫か?悪い、なかなか養育費振り込めなくて」
「そう、なかなか振り込んでくれないけど、忙しいの?」
「ああ、ちょっとバタバタしてる」
Kさんはすっと息を吸い込み、思い切り大きな声で答えました。
「バタバタしてるバタバタしてるって、忙しいのはてめえだけじゃねえんだよ!私だって忙しくてそれで倒れたんだから!忙しいって言えば済むと思うなよ!!!このまま養育費振り込まないつもりならこっちにも考えがあるっていう話するためにかけてんだよ!」
「え……考えって?」
元旦那さんは驚きのあまり、電話を切ることすらできなかったようです。
「てめえの先生、△△先生だっけ?その先生に〇〇は養育費も払わねえ奴だって言ってもいい?あとあんた地域の福祉活動やってるんだっけ?福祉活動しながら自分が作った子の養育費は滞納ってやばくない?まず自分の一番近くの弱者を助けろって話だよね。もしみんなに知られたら△△先生の名前に傷がつくね!ざまあみろ!」
△△先生というのは元旦那さんの立候補を後押ししてくれている、とある大物政治家。元旦那さんは「やめてくれよ、それだけは…」と言って電話を切りました。

その後、選挙が始まるまでに滞納していた養育費は全て支払われたそうです。ただKさんが先生に告げ口をするまでもなく、元旦那さんは選挙に落選したとのことでした。敗因は不明ですが、とっても残念ですね。

ftnコラムニスト:緑子


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