人の気持ちを「きっとこう思っているはず」と想像しても、悪気がなく誤解を生み、人間関係に影響を与えてしまうこともあって──今回は、筆者の友人A子の体験談をお届けします。
画像: 義姉「嫁ちゃん、私たちが嫌いなんだって」親戚にデタラメ流さないで! 反論すると、義父が出てきて!?

勝手に作られていく“私像”

結婚してしばらく経った頃、私は親戚の集まりが少し苦手になっていました。
なぜなら、私がいないところで義姉が私の気持ちを勝手に代弁しているらしいのです。

「A子ちゃん、義実家の集まりはあまり好きじゃないみたい」
「本当は来たくないらしいよ」

しかし、私は一度もそんな話をしたことがありません。

最初は聞き間違いや勘違いだと思っていました。
しかし親戚の何人かから同じ話を聞くうちに、どうやら義姉がそう話しているらしいと分かってきたのです。

黙っているほど広がる不安

とはいえ、義姉が親戚に話すのを、私自身がその場で聞いたわけではありません。
反論するにも証拠がなく、波風を立てたくない気持ちもありました。

しかし次第に、別の不安が大きくなっていったのです。

「このまま黙っていたら、“人付き合いが嫌いなA子”という像が本当の私として親戚中に定着してしまうのでは?」

いつか勇気を出して、自分の言葉で伝えなければならない——。私はそう考えるようになりました。

勇気を出して誤解を解くと

転機が訪れたのは、義祖母のお祝いで親戚が一堂に会した時のこと。

私は台所で義母の手伝いをしていたのですが、居間から「A子ちゃんは人見知りだから……」と義姉の勝手な代弁が聞こえてきたのです。

私は意を決して居間に向かい、
「え? 私、人見知りって言ったことありましたっけ?」
と声を張りました。

その場の空気が一瞬で静まり返り、義姉は少し慌てた様子で「え、そういう感じじゃなかった?」と笑ってごまかしました。

すると近くにいた親戚が
「そういえば、親戚付き合いは最低限でいいって聞いたけど……」
と話し始めたのです。

私ははっきりと伝えました。
「そんなこと、一度も言ったことないです」

自分の言葉で自分を守った結果

その一言をきっかけに、周囲からも次々と声が上がりました。
「あれも違うの?」「それも本人が言った話じゃなかったの?」

義姉は慌てて、「そういう意味で言ったんじゃなくて~……」と言い訳を始めましたが、その時、義父が呆れたように言ったのです。
「またか。本人が言ってないことを勝手に話すのはやめなさい」

そこで私は初めて知りました。
義姉には昔から話を盛る癖があり、義父も何度か注意していたというのです。
顔を真っ赤にした義姉は、何も言い返せませんでした。

それ以来、義姉が私の気持ちを勝手に代弁することはなくなりました。

自分のことは自分の言葉で伝えなければ、本当の姿まで誰かに決められてしまうことがあるのだと学んだ出来事でした。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2026年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

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