懐かしい味、思い出の味、母の味。
そんな心に残る味が、皆様にも一つや二つはあるのではないでしょうか?
今回は筆者の友人A子さんが体験した、心温まるお弁当のお話をご紹介します。
画像: 「ヒェ! 私の煮物が不味すぎた?!」【お弁当をおすそ分けしたら】→ 同僚に異変が!!

毎日手作り弁当を持参

OLのA子さんは、いつも手作り弁当を持参していました。
会社には食堂もあるのですが、元々料理が好きな事と節約をかねて、毎日お弁当を作っていたのです。

そして毎日一緒に昼食を取る同僚B美は、いつも食堂を利用。
彼女がお弁当を作ってきたことは一度もありませんでした。
彼女は家でも全く料理をせず、コンビニ弁当やスーパーのお惣菜で済ませているのだとか。

A子さんは料理をしない人もいるんだなぁと、特に気にしていなかったのですが……。

大量の煮物。一口食べると……な、涙!?

ある日、A子さんは得意の煮物を作ることに。
しかし気合いを入れて作り過ぎてしまい、冷蔵庫の中が煮物でパンパンになってしまったのです。

翌日のお弁当は、大量の煮物とおにぎりを持参することになったのですが……。
B美がそれを見て大爆笑!
なんとなく悔しくて、

「文句言わんで食べてみて! 美味しく出来たんやから!」

そう言って、一口食べさせたのです。
すると、食べたB美が固まって……

「……これ、どうやって作ったの?」

なんとB美が涙目になっているではありませんか!
(もしかして不味かった!?)
A子さんが焦っていると、B美はゆっくりと話し出したのです……。

まさかの母の味だった。心と身体に沁みる優しい味

B美は幼い頃に母を亡くしていて、それ以来父親と二人暮らしでした。
父親は仕事の帰りが遅かったので、食事はいつもお惣菜やコンビニ弁当ばかり。
祖父母とも離れて暮らしていたので、誰かの手料理を食べることはほとんどなかったのだそう。

そうして久しぶりに食べた手料理、A子さんの煮物が……亡き母の手料理とソックリだったのです。
母を思い出して、思わず涙が出てきてしまってー……。

次の日A子さんは、大量の煮物をタッパーに詰めてB美におすそ分け。
そしてB美に頼まれた通り、丁寧に書いたレシピを添えて……。

数日後、B美が照れくさそうに手作り弁当を持ってきたのです。

「レシピ通りに作ったんやけど、何か味が違うんよね(笑)」

彼女が作った煮物は、にんじんは固く、他の具材の大きさもバラバラ。
それでも一生懸命作ったのが分かる、優しい味のものでした。

それ以来、お昼休みにはB美が作った料理の味見をして、アドバイスをする大切な時間になりました。
いつかB美が母の味を再現できるようになるまで、とことん付き合うつもりです。

まとめ

思いがけないところで母の味に出会ったB美さん。
彼女の気持ちを考えると、思わずこちらまで涙ぐんでしまいそうです。
美味しい煮物が作れますように!

ltnライター:Yukky111


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