知らない土地で非日常を体験できるのが旅行の醍醐味ですが、中にはちょっとゾッとする「非日常」を味わってしまう人もいるようです。
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彼氏と初めての温泉旅行

友人のA子は先日、付き合い始めたばかりの彼氏と温泉旅行に出かけたそうです。奮発して2人が予約したのは隣県の老舗旅館。広い露天風呂と豊富な湯量が自慢で、A子も1度行ってみたいと思っていたところでした。

当日、旅館にチェックインすると、A子と彼氏はさっそく温泉に行くことに。入口のところで彼氏と別れ、A子は1人で女湯ののれんをくぐりました。

さっそく温泉へ! そこには?

服を脱いでさっそく大浴場に足を踏み入れると、平日の中途半端な時間だからか人が見当たりません。「もしかして貸切? やったー♡」と喜びながらA子は露天風呂へと向かいました。

露天風呂は広く、湯気がたちこめていて全体が見渡せません。しかし、少し離れたところに1人の老女が浸かっているのが見えました。
「あ、貸切じゃなかったのね」とちょっと残念に思ったA子でしたが、のんびり露天風呂を楽しみ、かなり温まったのでそろそろ部屋に戻ることにしました。

さっきの老女は、まだ同じ場所に浸かっています。「おばあさん長風呂だなぁ」と少し心配になりましたが、たまにお湯を肩にかけたりしているので具合が悪いわけではなさそうです。

A子は老女を置いて脱衣所へと向かいました。

脱衣所を出ようとすると

身体を拭き、身支度を整え、部屋に帰ろうと入口でスリッパを履いていると、「失礼します」と2人組の清掃係が入ってきました。
2人はA子に会釈して脱衣所に入ると「今のお客様で最後ね。お掃除始めましょうか」と言い合います。

A子は思わず「え? まだおばあさんが入ってますよ?」と声を掛けました。しかし、2人は怪訝な顔をしながら「誰もいらっしゃいませんよ?」と言うのでビックリ……!

え? おばあさんは……?

「靴箱のスリッパも、脱衣所の荷物も、お客様のものだけですよ」清掃係に言われ、混乱するA子。

「でもさっき露天風呂におばあさんがいたんです!」と言うと、清掃係はわざわざ露天風呂まで行って確認してくれましたが、やっぱり誰もいないとのこと。

え、じゃあ、私が露天風呂で見たあのおばあさんは一体……?
A子はゾッとして、足早に部屋へと戻ったそうです。

まとめ

旅先では時々不思議なことが起こりますよね。その土地に住む、人ならざる者が旅人を惑わすのでしょうか……。

ftnコラムニスト:藍沢ゆきの


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