ある角度から見たら悪事に思えてしまうようなことでも、別の角度から見ると全く違った真実が隠れていることもあるものです。今回はそんなエピソードを友人が聞かせてくれたのでご紹介します。
画像: ftnews.jp
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秋になり、木々が染まる大通り

友人のA子は、毎日30分ほど歩いて通勤しています。
会社までのルートでA子が1番気に入っているのは近所の大通り。両側にイチョウの木が植えられていて、秋になると見事な黄色に染まるのをA子はひそかに毎年楽しみにしていました。

ちょっと、何してるの?!

ある朝、いつも通りA子がその大通りを通って会社に向かっていると、4~5人ほどの高校生が歩道にたまった落ち葉を蹴っているのが見えました。
彼らが蹴るたびに落ち葉が舞いあがっています。「何してるんだろう? ふざけて散らかしてるのなら注意しないと」正義感の強いA子は思わず身構えました。

実はイタズラではなかった

その時、高校生たちが落ち葉を蹴るのをストップしたので、A子も少し離れたところで足を止めました。彼らは散らかした落ち葉の周りに立つと、嬉しそうに空中に向かって手を振りはじめます。

「この子たち一体何がしたいの?」不審に思ったA子が彼らの視線の先を見ると……そこには、大通りに面した病院の窓から手を振る男の子の姿がありました。

真実に気付き……

「もしかして……」A子は再度高校生たちの足元の落ち葉をよく見ました。するとそこには、落ち葉で「ガンバレ」の文字が書かれていたのです……!

A子はそれに気付いた瞬間、高校生たちがイタズラをしていたのではないことにやっと気付きました。おそらく彼らの友人がなんらかの事情で病院に入院していて、その子に思いを伝えるために落ち葉で文字を書いたのでしょう。

高校生たちが落ち葉を蹴っているのを見て「何か悪いことをしているに違いない」と思ってしまった自分のことが恥ずかしくなったA子。
彼らの書いた落ち葉の文字を消さないように、そっとその場を去ったそうです。

まとめ

人の間違いを正すのも大切なことですが、一方的に決めつけて行動に移してしまうのではなく、落ち着いて見極めてから判断したいですね。心優しい高校生たちに出会えて、心が温まりました。

ftnコラムニスト:藍沢ゆきの

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