子どもに親しい友達ができると嬉しいですよね。しかし、子どもの友達とどこまで関わるか、難しい局面を迎えてしまうことも……。私のママ友A子さんは、ネグレクト気味の息子の友達との関わりに悩んでいました。
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転校生と仲良くなった息子

ママ友A子さんの息子は、転校してきた男の子U君と仲良くなり、毎日のように遊ぶようになりました。最初は公園で遊んでいましたが、夏暑くなるとA子さん宅で遊ぶ日が増え始め……。そこまでは良かったのですが、U君は日に日に滞在時間が長くなり、夏休み前には夕食時になっても帰ろうとしなくなりました。

親切心で夕飯を食べさせると……

最初はU君に、家に帰るよう促していたA子さん。U君は渋々帰っていましたが、ある日「家に帰っても一人だから」とポツンと呟きます。話を聞くと、母親は仕事で留守にすることが多く、帰宅は夜9時を過ぎるのだとか。夕食はいつも冷凍食品を温めて食べているとのこと。

A子さんは気の毒に思い、親切心で1度夕飯をご馳走しました。U君も息子も喜んでくれ、嬉しくなったA子さん。ところが、その日からU君はA子さんが夕飯を作ってくれることを期待するようになってしまいます。断るのも心苦しく、遊びに来ている日は夕飯を用意していました。

家族の外出にも同行したがるように

もちろん、A子さんは勝手に夕飯を与えていたわけではありません。最初に夕飯を用意した日に、U君から電話番号を聞いて電話をしました。母親は「ありがとうございます。ご迷惑でなければ息子に優しくしてあげてください」と、A子さんに頼る気満々です。顔も知らないのに、我が子を簡単に託す母親にA子さんは違和感を覚えつつ、夕飯を用意するのが当たり前のようになってしまいました。

そしてある休日、家族で出かけようとしていたところにU君がやってきます。「一緒に連れてって!」と言うU君ですが「家族の都合だから」とA子さんは丁寧に断りました。ぐずるU君をなだめつつ車に乗り込むA子さん家族。安全を確認して出発すると、後ろからU君が走って追いかけてきたのです。

母親に連絡すると……

さすがに危険だと思い、A子さんは母親に電話をかけました。事情を説明するとA子さん宅に駆けつけた母親。そして、一方的にU君を厳しくりつけ、家に連れて帰ったのです。顔を合わせるのは初めてでしたが、毎回夕飯を用意しているA子さんへの感謝の言葉はなく「すみません」と短い謝罪ひと言だけ。

今回のことで、A子さんもさすがに距離を取ろうと決意しました。「友達との約束は公園だけで家遊びはしない」というルールを作り、息子に徹底させます。息子も徐々にU君の執着につらくなったようで、遊ぶ約束をしなくなりました。それでもU君はたびたびA子さん宅に来てインターホンを鳴らします。

一体、何が正解だったのだろう

今までのU君の様子と母親の対応から、ネグレクト気味の家族だと心配になったA子さん。泣きながら家に来るものだから、ついに中に入れてしまいます。私も含めて周りのママ友は「深追いしない方がいいよ」とアドバイスしたのですが、いざ不安そうなU君を見ると、A子さんは放っておけないようです。

その後、どうなったかというと、2学期にU君は突然引っ越ししてしまいました。A子さんや息子に挨拶はなく、どこに行ったのか、なぜ引っ越ししたのかはわからずじまい。A子さんはU君を心配しつつも、責任から解放されたようで安心したようです。しかし、子どもの友達にどこまでしてあげるのが正しいのか、難しさを感じる出来事でした。

ftnコラムニスト:ききた

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