お店を営んでいると、「知り合いなんだからサービスして」と言われることは少なくありません。せっかく来てくれたのですからもちろんサービスする気はあっても、理不尽な要求は受け入れられませんよね。今回は飲食店を営んでいたら、ママ友に無理な要求をされた私の知人Aさんのお話です。
画像: ftnews.jp
ftnews.jp

人気の飲食店を経営

Aさんは旦那さんと一緒に、地元ではそこそこ繁盛している洋食店を経営しています。ランチタイムはいつも満員ですし、ディナータイムは数週間先まで予約が埋まっているほど。

しかしAさんはトラブルを避けるため、ごく親しいママ友にしかお店の話はしていませんでした。

ある日、あまり話したことのないママ友MさんがAさんに親し気に話しかけてきました。
「Aさん、〇〇(お店の名前)のオーナーなんですって? 行きたいけどなかなか予約取れないのよね……来週子どもの誕生日だからお祝いしたいんだけど、なんとかならない?」
なぜお店をしていることがバレたのかはわかりませんが、こういったお願いをいちいち聞いていられないから秘密にしていたのに、とAさんはうんざり。

しかしもうバレてしまったものは仕方ありません。Aさんはなんとか都合をつけ、Mさんの家族のために席を用意しました。
「本当なら急に予約ねじ込めないから、今回だけね」
「ありがとう! それでお願いなんだけど……お誕生日会だから、プレゼント代わりにデザートのサービスしてくれるわよね?」
いつもAさんのママ友が来たときは旦那さんがサービスでデザートを出すこともありましたが、要求されたのは初めてでAさんはビックリ。
「うーん、忙しかったら無理かもね……」
そう言ってMさんから離れたAさん。こんなに図々しいママ友は初めてでした。しかもあまり話したことがないのに。

要求がエスカレート

Mさんの子どもの誕生日会は無事に終わりこれで終わりだと思っていたAさん。しかしMさんは味を占めたのか、Aさんに様々な要求をしてくるようになりました。

「お店があんなに繁盛してるんだから、人手が足りないんじゃない? 私をパートで雇ってよ!」
「いや、人手はもう十分に足りてるんで……」
「そんなこと言わずに、旦那さんに相談してよー」
「ほんと大丈夫ですから」
Mさんは渋々引き下がりましたが、翌日にはこんな要求をしてきたのです。

「ねえ、儲かってるんでしょ? 1万円でいいからお金貸して! 無利子でいいわよね? 友達なんだし」
「Mさんとお友達になった覚えはありません。ですからお金も貸せません」
「なによ! 金持ちのくせにケチね!」
Mさんはお金持ちだと思っているようですが、原材料費や人件費などを引くとそんなに稼げている訳ではありません。しかしAさんはもうMさんにかかわり合うのが嫌なので黙っていました。

しばらく避けていれば大丈夫だろうと思い、小学校の集まりにはお姑さんに行ってもらいました。さすがのMさんもお姑さんには声をかけられないようで、しばらくは平和な日が続いていました。

口コミサイトで……

そんなある日、飲食店の口コミサイトでAさんのお店に低評価をつけられることが相次ぎました。

それもほぼクレームに近い内容で、「従業員がババアばかりで加齢臭がする」「くず野菜ばかり使用している」「オーナーがケチで、家賃を踏み倒している」といったような根も葉もないひどい口コミです。

「きっとMさんだわ……どうしよう」
口コミサイトを見てため息をつくAさんに、旦那さんは言いました。
「うちによく来てくれている常連のお客様は、こんなのただのイチャモンだって思ってくれるはずだよ。僕たちは何も悪いことはしていないんだし、堂々としていよう」
「うん、そうね……」

その後、同一人物が複数のIDを取得して不正な口コミを投稿したとして、Mさんの口コミはすべて削除されました。

風の噂で聞いたところによると、MさんはまだAさんのお店の悪口を言っているそうですが、相変わらずお店は繁盛しているので痛くもかゆくもないとのことです。

ftnコラムニスト:緑子

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.