「初心忘るべからず」という諺があるように、何事にも慢心は禁物でしょう。
今回は、知人女性の姑エピソードをお届けします!

姑のスパルタ料理指導

「私はお料理教室で、プロ並みとのお墨付きを頂いたのよ! 家に嫁に来たからには、アンタを徹底的に鍛え上げるから!」
姑はそう言って、知人女性に料理を始めとした家事一切を命じました。
知人女性は期待に応える為に、自ら本を読んで勉強し懸命に努力しますが、姑は絶対に彼女のことを認めません。
「フン! やっぱりアンタの料理は全然駄目ね! 息子が可哀想だわ!」
そう言いながらも姑は、毎回知人女性の料理をお代わりし、お皿まで舐める勢いだったといいます。

次男の来訪に張り切る姑

そんなある日、遠くに住む次男夫婦が久々にやって来ることになりました。
姑は次男夫婦の来訪を喜び、知人女性にこう宣言します。
「アンタの料理を、次男夫婦に食べさせる訳にいかないから、今回は私が全て作るわ! 格の違いを見せてあげる!」
「能ある鷹は爪を隠す」が口癖で、1年以上キッチンに立つことのなかった姑の久々の手料理。
しかし、結果は散々な物でした。

最悪のホームパーティー

姑は次男夫婦をもてなす為に、ローストビーフやキッシュなど豪華なパーティーメニューを作りました。
しかしテーブルに並ぶ料理はどれも、見た目がイマイチでした。
姑自身、それが分かっているらしく「嫁が何も手伝わないものだから、焦って作ってこの出来栄えだけど、味は保証するわ!」と急にトンデモナイ言い訳を繰り出します。
しかし残念なことに、どれも食べられた代物ではありませんでした。
ローストビーフは硬すぎるし、逆にキッシュは生焼けでドロドロ。デザートのケーキもほとんど味がせず、スポンジはパサパサです。
この料理を前に、どうコメントするべきか悩む次男夫婦達に知人女性は「よかったら、これを......」と言って、作り置きの料理をテーブルに並べました。
こちらはどれも見た目が美しく、味も最高でした。こうして姑の料理はほとんど手を付けられることがなく、知人女性の料理は綺麗に完食されたのです。
姑は知人女性に料理を押し付けてばかりで、すっかり料理の勘を失ってしまったのでしょう。
この1件が堪えた姑は、それから一切、彼女の家事に口出しすることはなくなったといいます。
知人女性の苦労が、ようやく報われた瞬間でした。

ftnコラムニスト:六条京子


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