共働き世帯が増える中「PTAから逃げられるなら逃げたい!」という人は多いはず。しかし、前例主義を重んじる人は一定数いるものです。保護者のために動き出したPTAスリム化を邪魔する意外な人物とは……?
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PTAのスリム化に積極的な本部メンバー

私の子どもが通う小学校は、PTAの立候補者が足りない場合、問答無用でくじ引きになります。免除基準はあるものの、くじ引きで当たれば基本的に逃げられません。共働きが増える中、PTAは明らかに保護者の負担です。

そこで「PTAをスリム化する!」と強い志を持った立候補者が現れます。彼女は会長になり、PTAスリム化に向けて具体的に動き始めました。私はそのとき本部書記を担当。私も含めて本部メンバーは全員、会長のPTAスリム化には大賛成でした。

必須ではない仕事はどんどん削減

最初に始めたのは、現在行われているPTA関連の仕事の洗い出しです。本部以外の部も含めて、前任から引き継いだ仕事をリストアップ。相談しながら必須ではない仕事の分類がされ、今年度から削減されていきました。

「今年度から不要」となった仕事は「行事後に行われるアンケート」「報告するだけの会議」「部が発行するプリント」など。改めて洗い出すと、前年度から引き継いで何となく続けている仕事が多数見つかりました。

意外なところから横やりが!

順調にPTAスリム化が進むかと思いきや、意外なところから横やりが入りました。他の部の人から「本当にやらなくていいのか」という不安の声が一部で上がったのです。スリム化には決断が必要ですが、その責任を負いたくないのでしょう。前年通りにやれば「引き継いだから」という理由があるので安心なのかもしれません。

また、PTA前任からも文句が上がりました。毎年発行されているプリントがないことを不審に思った前任が、本部に問い合わせをしてきたのです。「負担が大きい割に読む人が少ない。発行しなくても子どもの学校生活に変化はないと判断し削減した」と説明しても、前任は「続けるべきだ」引き下がりません。話を突き詰めると「今までPTAが背負ってきた苦労を、あなたたちだけが背負わないのが許せない!」とのこと。

PTAスリム化には難問がいっぱい……

私は妙に納得してしまいました。PTAがスリム化できないのは前例主義の呪いなのかもしれません。「前年通りにやれば安心」「私たちがした苦労を他の人もすると思えば納得できる」という心理があるのでしょう。だから、PTAはいつまでも変わらないのです。

それでも私たちは頑張りました。会長がリーダーとなり「ペーパーレス化」を理由に配布物を減らし、小学校のホームページやメールシステムを有効活用。まだまだスリム化できる部分はあるでしょうが、1年でかなりの仕事を削減できたと思います。

正直、組織改革は大変でした。前年通りに活動していたほうが負担は少なかったでしょう。それでも「次の人のために!」という会長の強い志とリーダーシップでPTAスリム化は実現されました。私たちの次のPTAメンバーも、この意思を引き継いでくれています。このまま良い方向に向かってほしいを願うばかりです。

ftnコラムニスト:ききた

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