自分が好きだと思ったものを、堂々と「好き」といえるのは素敵なこと。
今回は、私の友人Tさんから聞いた、「ボーイッシュな自分になりたい」と母親に告白をしたときの話を紹介します。
画像: ftnews.jp
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悩みを抱えるTさん。「本当は、男性のようになりたいんだ」

私の友人のTさんは、パッとみたら「整った顔の男の子」という印象。
ハキハキと物をいい、誰に対しても人懐こい性格です。

体を動かすことが大好きなTさん。
高校時代は剣道部に所属していました。

「剣道が好きなの?」
と私が聞くと、
「少年漫画をみて、カッコイイと思ったんだよね! あと、男子も女子も、同じ剣道着と袴を着るからさ」
といいました。

Tさんの性別は、女性。
しかし、心では「男性っぽくなりたい」と強く思っているのです。

スカートを履くのは「ニセモノの自分」

スカートの制服に抵抗があったTさん。
高校生活では、いつみてもジャージ姿でした。

式典のような特別の行事のときだけ、我慢してスカートの制服を身につけていました。

スカートを履くたびに、Tさんは
「自分の心にウソをついているみたいで、すごく気持ちが悪くなるんだ」
といいました。

スカートを履いている自分は、本当の自分を偽っているかのような気持ちになるのです。

「いまの自分はニセモノ。でも本当の自分って、なんなのかな……」
高校時代のTさんは、ずっと心のなかがモヤモヤしていました。

「スカートを履きたくない。髪も短くしたい」本音を話したTさん。母親の意外な反応とは?

高校を卒業して、いよいよ大学生活が間近になってきたときのこと。

Tさんは母親と一緒に、大学の入学式で着るためのリクルートスーツを探しにいきました。

高校を卒業して、せっかくスカートから離れられると思っていたTさん。
スーツでもスカートを履かなければならないのかと思うと、たまらなくイヤな気持ちになりました。

モヤモヤと考えていたTさん。
だんだんと、気持ちが悪くなってきました。

Tさんの顔色が悪いことに気がついた母親。
「どうしたの、Tちゃん。顔色が真っ青よ……?」
と、心配そうに声をかけました。

イヤな気持ちに、耐えきれなくなったTさん。
ゆっくりと口を開きました。

「お母さん……私、もうスカートは履きたくない。ズボンで生活したい。本当は、髪も短くしたいんだ……」

ずっと抱えていた、Tさんの本当の気持ち。

どんな反応をされるのかな?
やっぱり、スカートじゃなきゃヘンっていわれるのかな?
女の子なんだから、女の子らしくしなさい、っていわれるのかな?

不安な気持ちで待っていると、母親はにこりと笑いました。

「なんだ、そうだったのね。ズボンのリクルートスーツもあるのよ! 髪も短ければ、乾かすのがラクになりそうでイイわね!」

明るく話してくれる、母親。
その反応に、Tさんは不安になりました。

「エッ!? 本当にイイの!? 私、男の子みたいになりたいんだよ……!? 女の子なのに、とか思わないの!?」

すると母親は、「あっ!」と大きな声を出しました。

「そっか! もしジェンダーレスな名前にしたかったら、またあなたに名前をつけられるわ! 2回もあなたの名前を考えられるなんて、ステキなことだわ!!」

前向きな母親の反応に、Tさんの肩の荷はおりました。
これからは本当の自分でいてイイのだと、思ったのです。

「お母さんの子どもで、本当によかった」
そう伝えた、Tさんでした。

まとめ

勇気を出して母親に本音を言えたTさん、本当に頑張りましたね。
悩んだときに本音を話せる相手がいると、気持ちにゆとりができます。
「2回も名前を考えられる」という前向きな考えのように、物事をプラスのほうへ向けることも大切ですね。

ftnコラムニスト:haru

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