「人と同じものが欲しい」「人のものだと欲しくなる」、それってちょっと性悪ですよね。あこがれの職場の先輩は、そんな「人のものが欲しくなる」厄介な人でした。既婚者ばかりをターゲットに、不倫を繰り返しています。先輩の本性を知るまでは、頼りになる素敵な先輩だと思っていましたが……。
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ある日、先輩と居酒屋で・・・

私が新卒で入ったのは、デザイン系の企画会社でした。直属の上司に当たる女性は、いかにもデキる女という感じで、男性社員からも一目置かれていました。女子社員は「怒らせたら怖そう」と思っていましたが、口調は厳しいものの、仕事の段取りがうまく周りに慕われていました。

ある日の金曜日。めずらしく先輩に、仕事帰りの食事に誘われたのです。そのときは、先輩と同じチームの一員でしたが、女子社員が先輩と私のふたりだけだったので、気を使ってくれているのだと思っていました。

飲んで口が軽くなった先輩の衝撃のひとこと!

先輩に誘われていった先は、普段先輩がひとりでもよく来るという、カウンターのあるこじんまりとした居酒屋でした。食事が出てくるのを待ちながら、私達は先にお酒を飲み始めました。

先輩の飲むピッチの速さに驚きましたが、軽めのお酒ばかりだったので、「結構飲めるんだな。」くらいにしか思いませんでした。

お酒がいい感じに回った私たちは、そのうち女子会の会話のノリで恋愛方面の話題に。

私には大学時代から付き合っていた彼氏がいましたが、先輩は30代半ば。結婚とか考えてないのかな、などと思いつつも聞けないでいましたが……、

「今付き合ってる人、既婚なんだよね。」

と先輩が突然の爆弾発言。

何股不倫!?先輩、それ全部人の男です

「私この間、O君と寝ちゃった」

……ショックで目が点になっている私に、先輩が続けます。Oさんは先輩と私とは別の課でしたが、たしか半年くらい前に結婚したばかりだったはず。

「私結婚できないはずだわ~。人のものと思うと、手を出したくなっちゃって。」

先輩の話を聞いている限り、付き合っている男性(?)というのは、ほぼ社内の既婚者ばかりです。

いつか痛い目見て欲しい

私はなんと言えば正解なのかわからず、とりあえず「どの人が本命なんですか~?」と軽く会話を繋げてみました。

けれども先輩は「別に好きなわけじゃないのよ。」と。「人のものだと思うと、欲しくなるだけ。でも、基本的に最初はこっちから誘うから、男ってみんなすぐ本気になっちゃうんだよね。」「結婚してる男が自分になびくと、なんか勝ったって気になる。」

そのうち会話は、先輩の不倫ヒストリーへ突入。歴代社員の誰が良かったとか、一番高いプレゼントをくれたのは誰とか、正直もう聞きたくないと思いました。

「Bさんなんだけど、1回寝たら本気になっちゃって。実はちょっとウザイと思ってて。興味あるならあげるけど、どう?」

そんな先輩のひとことで、もう完全に先輩に対する尊敬の念は跡形もなく消えてしまいました。こんな先輩と今でも一緒に仕事をしながら、そのうち痛い目見たらいいのにな、とつい心の中で思ってしまいます。

ftnコラムニスト:叶かなえ


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