「私ってサバサバしてるから~」と言いたがるくせに実は全然サバサバしてなくて、むしろネチネチ…。いわゆる自サバ女って結構いますよね。今回は仲良しの男女混合グループに入ってきた自サバ女にグループをめちゃくちゃにされてしまったお話です。
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ネットで集まったグルチャメンバー

当時私は夫の仕事の都合で引っ越したばかり。周りに親しい友達もいなかったため、地元の掲示板の「グルチャメンバー募集」というLINEのグループチャットを見つけ、友達づくりのためにそのグループに加入することにしました。

それは男女混合のLINEグループで、おはようからおやすみまでLINEで他愛のない話をしたり、近くの居酒屋に集まってオフ会という名の飲み会をしたり、特に縛りのないご近所さん同士の集まりといった雰囲気でした。

メンバーは15人程度で、その多くは30~40代の既婚者。私は年齢の近い友達ができたことが嬉しく、オフ会にも積極的に参加していました。

グループ内恋愛禁止!でも・・・

ゆるい感じのグループではありましたが、既婚者が多いこともあり、もめごとを避けるためにグループ内では恋愛禁止というのが唯一のルール。皆きちんとそれを守っていて、まるで学生時代のサークルのように男女問わず、ランチや飲み会などを開催して仲良く活動していました。

男性メンバーの中に、Mさんという30代男性がいました。Mさんは背が高く、シュッとしたイケメンで性格も優しく穏やかな男性。立ち振る舞いもとっても紳士で、いかにも女性にモテそうな雰囲気。

以前他のグループに所属していたそうですが、Mさんをめぐる女性メンバー同士の争いごとがあったとのことで、責任を感じてそのグループを抜け、恋愛禁止の今のグループにきたそうです。

居心地の良いグループだったのでメンバーはだいたい固定していましたが、たまに誰かが忙しくて抜けてしまったり、また新しい人が入ってきたり。

ある日、私がいつもの通りオフ会に参加すると、見慣れない女性がその場にいることに気付きました。
「はじめまして、今日からお世話になります!」
その女性の名はYさん。40代既婚者で、ショートカットの似合うハツラツとした女性でした。グループのメンバーからこんなグループチャットがあると聞いて興味を持ち、気が合いそうなら加入したいとオフ会から参加しに来たとのこと。
「あ、よろしくお願いします…」
グループチャットから参加するのではなく、いきなりオフ会に参加するなんて珍しいなあと思いながら皆それぞれに自己紹介などして飲み始めました。

自サバ、大爆発!

Yさんは明るくおしゃべり上手な女性で、そのうえお酒も強く、初めて会ったとは思えないほど飲み会を盛り上げてくれました。しかし酔いが回ってくるにつれ、「ん?」と思うような発言もするように。
「恋愛禁止とか言いながら、どうせみんな隠れて不倫とかしてるんでしょ?」
いきなり私の肩を小突きながら、Yさんが言いました。
「え?してないですけど」
「ウソー!だってほら、あの人とか超イケメンじゃない?1回でいいからヤリたいと思わない?」
Yさんはそう言いながらMさんを指さしました。
「そんなこと思ったことないですよー。ていうかヤリたいってそんな、みんな結婚してるし」
私の答えに、Yさんが鼻を膨らませて言いました。
「なーんだ、やっぱみんないい子ぶりっ子してるんだね」
「え?」

「アハハ、ごめんごめん。私思ったことすぐ言っちゃうんだよねー!正直だから。でもほんとあの人かっこいいよね、私いっちゃおうかな!」
「え、いっちゃうって?Yさん結婚してるでしょ」
「そんなの関係ないでしょ!私狙った男は絶対落とすって決めてんの、肉食系だから!」
Yさんはギラギラとした目でMさんを見つめ、立ち上がってMさんの隣の席に移動しました。

「ねえ、あのYさんって人ちょっと怖くない…?」
私の隣にいたメンバーが、私に耳打ちしました。
「うん、なんか嫌な予感…。ほんとにこのグループに入ってくるのかなあ」
私の予想通り、YさんはMさんにぴったり引っ付いて、お酒を注いだりボディタッチをしたり。
「ちょっと、Yさん絡みすぎだよ!」
Yさんを連れてきたメンバーがYさんをMさんから引き離そうとしましたが、Yさんは「ヤダー、私ここがいいの♡」とMさんにべったり。Mさんは困っている様子でしたが、Yさんが年上なこともあってあまり強く言えないようでした。

飲み会はお開き。その後・・・

他のメンバーには目もくれず、あからさまにMさんを狙っているYさんのおかげで、飲み会はなんだかしらけたムードのままお開きに。

「Mさん同じ方向でしょ、一緒に乗ろう!」
YさんはMさんの手を引き、自分だけさっさとタクシーを捕まえてMさんと乗り込んでしまいました。
「あらら…いっちゃった」
残されたメンバーはぽかんとしながらタクシーを見送り、それぞれ帰路につきました。

飲み会であんなに弾けていたのに、なぜかその後Yさんがグループに入ってくることはありませんでした。

その後、管理人さんを含めた女性メンバー数人だけでランチ会を開催することになり、私はそこでとんでもない事実を耳にしたのです。
「ねえ、こないだ飲み会来てたYさんっているでしょ」
「あー、いましたね。あの人結局グループ入るのやめたんですか?」
「Mくんに聞いたんだけど、実はさあ…」
管理人さんによると、Yさんはあの後強引にMさんをホテルに連れ込もうとしたものの、Mさんは頑なに拒否。それからMさんに何度もLINEを送ってきたり、自宅や職場近くをうろついて待ち伏せをしたりしているとのこと。

Mさんに少しでも近づきたいのか、管理人さんにグループに入れろと何回も連絡をしてくるけれど、「肉食系だか何だか知らないけど、うちは恋愛禁止だから」と断っているそうです。

「めちゃくちゃつきまとわれて、Mくんがもう精神的に参っちゃってるらしいんだよね…」
管理人さんが心配していた通り、Mさんはその後すぐにグループを退会。人づてに聞いたところによると、家族を連れて遠くに引っ越しをしたそうです。

せっかく仲良くなれたメンバーだったのに、と皆Mさんの退会を惜しみました。たった一人の勝手な女性のせいで、大切な仲間を失うという悲しい経験でした。
今でもそのグループは活動していますが、相変わらずグループ内恋愛禁止、が最重要事項です。

ftnコラムニスト:緑子

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