巧妙すぎる手口
詳しく聞くと、相手は警察を名乗り、名前や所属部署まで伝えてきたうえに「このままでは口座が凍結される可能性がある」「早急な対応が必要」と不安をあおってきたようなのです。
S子は最初こそ疑ったものの、自分の氏名や住所まで正確に言い当てられたため、徐々に信用してしまった様子。そして気付けば、相手の指示どおりに銀行へ向かう準備を始めていたのです。
「お母さん、その電話は切った?」E美がそう聞くと「まだつながってるの。準備ができるまで切らないでと言われていて……」という返事が。
E美はすぐに「今すぐ電話を切って! 最寄りの警察署に行って!」と強い口調で伝えました。
危機一髪で防げた被害
半信半疑だったS子は、E美に言われるまま電話を切り、最寄りの警察署へ。すると案の定、そのような電話は一切していないことが判明しました。
もしそのまま銀行へ向かっていたら、数百万円の預金を失っていたことに。E美が帰宅後「ニュースを見ながら偉そうなことを言っていたけれど、まさか自分がこんなに焦るなんて思わなかったわ」「私は騙されないと思っている人ほど危ないのかもしれないわね」とS子は深く反省した様子で話しました。
今回の出来事を通じてE美が感じたのは、詐欺は特別な人だけが被害に遭うものではないということでした。自信がある人でも、不安や焦りを利用されれば判断力が鈍る場合があります。
「自分だけは大丈夫!」という思い込みこそが、実は一番危険なのかもしれません。そう気付かされたエピソードでした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年4月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Miwa.S
事務員としてのキャリアを積みながら、ライター活動をスタート。持ち前の聞き上手を活かし、職場の同僚や友人などから、嫁姑・ママ友トラブルなどのリアルなエピソードを多数収集し、その声を中心にコラムを執筆。 新たなスキルを身につけ、読者に共感と気づきを届けたいという思いで、日々精力的に情報を発信している。栄養士の資格を活かして、食に関する記事を執筆することも。