今回は、夫の同僚一家を招いたホームパーティーで、事前に伝えていた料理を“まさかの丸かぶり”で持参された知人女性Hさんのエピソードです。我慢していた気遣いが限界を迎えた時、得意料理で空気をひっくり返した出来事でした。
そして突然、大きな音とともに魚の首を切り落とし、素早く魚をさばき始めたのです。
慣れた手つきで次々と三枚おろしにしていくHさん。
実はHさん、飲食店で長く働いていた経験があり、特に和食と魚料理が得意だったそうです。
しかしT美さんが「和食と海鮮が苦手」と聞いていたため、あえて今回は洋食中心にしていたのだとか。
周囲が見守る中、T美さんの夫だけは大興奮。
「めちゃくちゃ魚捌くの上手いやん! 俺らは捌かれへんからめっちゃかっこいい!」
と感動していたそうです。
そこでHさんは笑顔のまま、
「言ってなかったっけ? 私、和食と海鮮が得意やねん」
少し間を置いてからこう続けました。
「連絡もらえてたら、ローストビーフも無駄にならへんかったんですけどねぇ」
と一言。
さらに、
「メニューも事前に伝えてたはずやけどなぁ。気ぃ利かせたつもりやったんですけど、足りませんでしたかねぇ。気にせず和食と海鮮も出しとけばよかったですねぇ」
とT美さんにチラッと目線をよこしながら笑顔で静かに続けました。
その瞬間、T美さんは何も言えなくなってしまったそうです。
“気遣い”を踏みにじられた側の本音
後から聞くと、T美さんは以前から同じようなトラブルを起こしていたそうです。
一方でHさんの気遣いや料理の腕前は、その日をきっかけに周囲からさらに評価されるようになりました。
気遣いを軽く扱われると、積み重なった不満はいつか表に出るもの。
我慢していた側ほど、本気で怒ると怖いのかもしれないと感じた出来事でした。
【体験者:30代・女性医療従事者、回答時期:2026年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Anne.R
看護師として9年間、多くの人生に寄り添う中で「一人ひとりの物語を丁寧に伝えたい」とライターの道へ。自身の家づくりやご近所トラブルの実体験に加え、現在は周囲へのインタビューを通じ、人間関係やキャリアなど女性の日常に寄り添った情報を発信している。