筆者の知人Dさんの話です。新入社員として入社したDさん。「頼りになるリーダー」と慕われる上司のIさんのもとで働いているDさんは、ある日、ふと小さな違和感を覚えます。組織とリーダーシップの本質とは……?

眩しい背中

会社に入社して、新社会人となったDさんが最初に強く印象を受けたのは、上司のIさんの存在感でした。

営業先でも会議でも、Iさんは迷いなく意見を述べ、物事をぐんぐんと前へ進めていきます。

周囲から「頼りになるリーダー」と慕われるその姿は、右も左も分からない新入社員のDさんにとって眩しく映り、自然と尊敬の気持ちが芽生えていきました。

Iさんの発言には常に「自分で出した判断への確信」が宿っており、方向性を決めるスピードも、組織を動かす推進力も群を抜いています。

そのIさんの決断力が、チームを前進させる原動力なのだとDさんは思っていました。

小さな違和感

しかし、一緒に仕事をしていく中で、DさんはIさんに対してわずかな違和感を覚えるようになりました。

Iさんの出した判断について実務の細部や情報の整合性を確認していくと、「大まかな方向性」と「細かい条件での精査」との間に、ときおりズレが生じるのです。

つまり、Iさんの判断は大枠では正しいのですが、実際には周囲のメンバーの補助によって精度や方向が保たれているという側面がありました。

尊敬していた上司の、少し異なる角度での姿が見えてきました。