お年玉
今年のお正月、孫にお年玉をあげたときのことです。
小学3年生の孫はお礼も言わず、いきなりガサガサとお年玉袋を開け「え? これだけ?」と言い出しました。
私たち夫婦はお正月だからと奮発して1万円を包んだのですが、孫は「これじゃあ欲しいゲームも買えないよ」と不機嫌に……。
挙句の果てには「ママのおじいちゃんはお年玉もたくさんくれるし、好きな物もたくさん買ってくれるのに、パパのおじいちゃんはケチだね」と言ったのです。
一言
さらに驚いたのは、嫁の一言でした。
「パパのおじいちゃんたちは大変だから。ママのおじいちゃんみたいにいろいろ買ったりはできないんだよ」
悪気はなく、ただその場を収めようとニコニコしながら言った言葉だったのかもしれません。でも、どこか配慮に欠けるように感じてしまい、私は少し胸がズキリと痛みました。
夫が「ごめんなぁ。喜んでくれるかと思ったんだけど」と明るく言ってくれたため、気まずい雰囲気は回避できたのですが、お正月早々、何とも言えない切ない気持ちになりました。
本音
裕福な嫁の実家が、孫に対して破格の待遇をしていることは知っていました。
何でも好きな物を買ってもらい、驚くほど高額なお年玉やお小遣いが当たり前になっている孫が、ある意味では育った環境のせいで、1万円のお年玉を不満に思うことは仕方がないのかもしれません。
しかし私は、お年玉をもらって「ありがとう」を言わないことや、失礼なことを言った孫に対しその場できちんと向き合わなかった息子夫婦に対する違和感の方が強く残りました。
それからというもの、私は以前のように息子夫婦や孫に会うのが楽しみではなくなってしまったというのが本音です。
お金の価値や感謝の気持ちを育むことは、これからの時代を生きていく子どもたちにとって、とても大切なこと。
それぞれの家庭の教育方針はありますが、いつか孫が大きくなったとき、金額の多寡ではなく、そこに込められた『想い』に気づける優しい大人に育ってくれたらいいなと、静かに見守っていきたいと思っています。
【体験者:50代女性・主婦、回答時期:2026年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:RIE.K
国文科を卒業し、教員免許を取得。OLをしていたが、父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄、多くの『ちょっと訳あり』な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。シングルマザーとして子どもを養うために、さまざまな仕事の経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地・職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。