これは知人のA子さんに聞いたお話です。
高校1年生の時に憧れの和食屋さんでバイトを始めたA子さん。そこで待ち受けていたのは、戦場のような忙しさとベテラン女性スタッフによる厳しい洗礼でした。しかし、その厳しい言葉の裏には、想像もしなかった深い愛情が隠されていたのです。

店長代理への成長と、最後の日に知った厳しい言葉の裏にある深い愛情

必死に努力を重ねたA子さんは、気がつけば高校から大学まで同じ和食屋さんで働き続け、最終的には店長代理を任されるまでに成長していました。

そして大学卒業を控え、就職活動のために長年続けたバイトを辞める最後の日のことです。いつも厳しい表情だったB子さんが、A子さんの前でポロポロと大粒の涙を流しました。

そして、「本当に寂しくなるね。実は、私の後釜はA子ちゃんだと思ってたんだよ」と、優しくハグをして別れを惜しんでくれたのです。

その瞬間、A子さんは今までの厳しい言葉の裏にあった、自分を一人前に育てようとしてくれたB子さんの深い愛情と温かさに気づき、胸がいっぱいになりました。

2児のママになった今も輝く人生の糧

現在は2児のママとなり、平穏な日々を送っているA子さん。今でも新しい環境に飛び込む時や、少し苦手だなと感じる人と接する機会があるたびに、あの和食屋さんでの日々を思い出すそうです。

「怖いというだけで距離を置いてしまったら、そこでおしまい。自分から飛び込んで、一生懸命に頑張れば、きっと道は開ける! そして、本気で叱ってくれる人の存在がいかにありがたいか」という気づきは、A子さんの人生の大きな糧になっています。当時の厳しさを振り返りつつ、あの時のB子さんのスピード感を思い出しながら、仕事面や夕飯作りなどの家事で活かしていこう! と思っているそうです。

【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2026年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:日向みなみ
出産を機に、子どもとの時間を最優先できる働き方を模索し、未経験からWebライターの世界へ。ライター歴10年の現在は、オンライン秘書としても活動の幅を広げている。自身の経験を元に、子育てや仕事に奮闘する中で生まれる日々の「あるある」や「モヤモヤ」をテーマに、読者のみなさんと一緒に笑って乗り越えるよう、前向きな気持ちになれるコラムを執筆中。