社会人になって気づいた「しつけのありがたみ」
やがて大人になり、社会人として働き始めたB子は、子供の頃に受けたその「厳しいしつけ」の本当の価値を知ることになります。
職場で多くの同期たちが、社会人として絶対に守らなければならないルールの多さや、それを少しでも破った際に突きつけられる容赦ない厳しさに耐えきれず、次々と心が折れて辞めていく中、B子にとって「決められたルールを厳守する」ことは、息をするのと同じくらい当たり前のことでした。基礎が体に染み込んでいたおかげで、彼女は社会の理不尽な厳しさに潰されることなく、スムーズに馴染むことができたのです。
さらに、B子が就いたのは昔から「やりたい」と願い続けていた念願の仕事でした。
もちろん仕事ですから、時には高い壁にぶつかり、投げ出したくなるような挫折も経験しました。それでも彼女が折れずに乗り越えられたのは、両親から叩き込まれた「一度決めたことは妥協しない」という考え方が、彼女の芯として強く根付いていたからでした。
親になった今だからわかる、深すぎる愛情
現在、B子自身も親となり、子育てに奮闘する日々を送っています。
自分が親になって初めて、B子は両親の偉大さを痛感しているといいます。
「子供に嫌われるリスクを背負ってまで、あそこまで徹底して厳しく教え込むなんて、よほど強い愛情と覚悟がないと絶対にできない」
自分が子供に甘くなりそうになるたび、B子はかつての両親の姿を思い出すそうです。子供の将来を誰よりも真剣に考え、逃げずに本気でぶつかってくれた両親。大人になってようやく気づいたその深すぎる愛への感謝を胸に、B子は今日も前を向いて歩んでいます。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026/05】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:藤野ゆうこ
2度の離婚を経て、シングルマザーとして介護職の管理者を務める現役会社員。現場で触れてきた数多くの家族の人生模様や、自身の波乱万丈な実体験をベースに、読者が同じ苦労をしないための教訓を込めたコラムを執筆。現在は介護現場や周囲への取材を通じ、嫁姑・夫婦関係・ママ友など、複雑な人間関係のトラブル解決に繋がる情報を発信中。